「徒歩」で3年間・12000km歩いて日本一周し、全国に「あしあと」をつなげる。日本一周お散歩旅人・さるぼぼさんインタビュー

 

「徒歩での日本一周」を達成するために、20kg超のザックを背負って、毎日8時間近く歩き続ける旅人がいる。日本一周に必要な日数は3年間、距離にして、約12000km。

現在僕は自転車で日本一周しているんですが、道中様々な旅人に出会いました。その一人であるさるぼぼさんは「車」でも「自転車」でもなく、「徒歩」で日本をグルッと回っているらしい。

以前から「この人は、かなり面白いな!」と思っていたんだけど、今回お話を聞かせてもらえることになったので、同じ旅人として根ほり葉ほり様々な話を聞いてきました!

 

 

「全くトレーニングせずに、一般の会社員が徒歩で帰った場合は何時間で進めるのか」を検証したかった。

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ーなぜ、日本一周の旅に出ようと思ったんですか?

 

簡単に言うと、思いつきかな。地元は岐阜県の高山市で、旅の前に工場で働いていたときは、名古屋に住んでいた。連休の時は実家にバスで帰っていたんだけど、180kmくらい距離があると。また連休で帰ろうと思っていたときに、ふと「ママチャリで帰ろう」って思った。

なんで思ったのかわからないんだけど、ママチャリで帰ろうと試みて、達成できたと。それから1年ぐらい経過したあとに、「じゃあ、次は歩いて帰ってみよう」と3日ぐらいで帰ることができた。そういうことを年に1回だけやる。普段はインドアなんだけど、年に1回だけ超アクティブになる。そんなことをしていたら、周りの誰かが「そのうち日本一周するんじゃないか」って。(笑)

 

当初、そんなことは全く頭になかったんだけど、そのうち「俺も日本一周かぁ」って考えるうちに旅に出たくなって、やると決めた。両親には、家族で話している時に「会社を辞めて、日本一周するわ」といきなり伝えた。案の定「は?」って言われたけど。(笑)

両親からは、「よく考えろよ、仕事辞めるのも勿体無いし」と。実際自分でも勿体無いって思っていた。工場で6年間働いていたから。でも、どうしても日本一周に出たい。よく言うけど、「やらずに後悔する」のは嫌だった。

 

ーなぜ「徒歩」で日本一周することにこだわったんですか?日本一周をするとなれば、徒歩以外にも自転車や車など、色々選択肢があると思うんですが、なぜより過酷そうな「徒歩」を選んだんですか?

 

それは例えば、マラソンをしていてより長く走れるように、より早く走れるように、ということと同じではないかな。

もっと、もっとできるんじゃないかって。初めて実家にママチャリで帰った話をしたけど、じゃあ徒歩でやるとどうなるのかな、と知りたくなって。「全くトレーニングせずに、一般の会社員が徒歩で帰った場合は何時間で進めるのか」を検証したかった。

 

日本一周も、そのステップの先にあるものといった感じ。最初は180km歩いたから、次は「そうだ、京都へ行こう」と思って、「京都まで歩いて行ったら面白いんじゃないかな?」「一日どの程度進めるのかな?」と実験してみた。

それをどんどん長くしていって、そんな時に突然「日本一周」というフレーズが入ってきたから、想像したこともなかったけど、できるのかな?って。次第にやってみたいなぁと思うようになった。「自分の力で出来るのかどうか」が知りたかったんだと思う。

 

その「ありがとう」は、今までに1回聞いたことがあるかどうかの「ありがとう」だった。

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ーこれまでの旅で、「この出来事よかった!」という体験があれば、教えてください。

 

色々あるけど、ボランティアをしたときは良い経験になったね。旅の最中に南三陸の震災のボランティアと、常総で鬼怒川が決壊した際のボランティアをさせてもらった。

南三陸のときは、最初はボランティアをするなんて全く考えてなかったけど、たまたま野宿でテントを張った目の前にボランティアセンターがあって、その場で話した人が実はボランティアをやっていて、じゃあ自分もやってみようかなと。これも何かの縁だと思って。

常総の時は、新潟県・佐渡島で滞在している時にニュースを見て、自然と「行こう」と思った。旅で通るルートじゃなかったけど、遠回りすれば行くことができる。南三陸でボランティアをしていなかったら、こうは思わなかったと思う。

 

ボランティアで集まった人はみんな初対面なんだけど、上手くチームプレーができるんだよね。床下に堆積した泥を土嚢袋に入れて、みんなで運んだ。妙に一体感があったね。

泥を運ぶ作業が終わって、家主の人から「ありがとう」って感謝された。その「ありがとう」は、今までに1回聞いたことがあるかどうかの「ありがとう」だった。これが本当のありがとうなんだなって。その言葉を聞いたら、自分もありがとうって言いたくなった。

地元の高山市に(実家には帰らず)用事で一度戻った時に、常総のボランティアで知り合った人が実は自分と同じ高山市出身で、お昼ご飯をごちそうしてくださいました。その場で集まった人との関わりも増えたし、その人が「高山に次帰ってきたら、お疲れさま会しよう」とも言ってくれた。その時は、本当にかたじけないなと思いました。ありがたいです。

 

この旅は、生まれて初めて「やりたい」って思って動いたことだった。

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ー今までの旅を振り返って、どんな旅だったと思います?抽象的だけど、自分の場合だと旅を通して様々な出会いがあって、面白い生き方をしている人にも出会えた。自分もまだ半周した段階だけど、「様々な人の生き方を知れた旅」だと思っているんですけど。

 

そうだね。(笑) みんな自分と考え方が違うから、それは思う。そのことを踏まえて、じゃあ俺はどうするかと。あくまで楽しむことは忘れずに。

あと、歩き以外のやりたいことを見つけたい。見つかるかどうかもわからないけどね。自分で決めるということをしたい。

 

この旅は、生まれて初めて、「自分でやりたい」って思って動いたことだった。それまで、将来の夢なんて考えたこともなかったから。昔を振り返ると、小学生の卒業文集で「将来の夢は、漫画家のアシスタント」って書いていたのを覚えてる。中学校では、なぜか「夜のビルの警備員」。(笑)

工場では6年間働いていて、「このまま定年まで働くのか?」と漠然と思っていたけど、特にやりたいこともなく普通に生きていました。それでボケーっと過ごしていたときに、思いつきでママチャリで実家に帰ってみた。

そんなときに「日本一周」という選択肢が出てきたもんだから、抑えがきかなくなって、じゃあやろうって。この旅は、おおよそ終了するまでに3年間必要だけど、長いスパンで会社を辞めてまでやりたくなった。その本気度は今までなかったし、自分で決めてやり遂げることも初めてだった。だから、なんとしてもやり遂げたいと思いました。

 

ーさるぼぼさんが目指す《理想の生き方》ってありますか?

 

理想の生き方。今の「日本一周」という生き方は、自分で消費してばかりだから微妙だね。すごく楽しいけど(満面の笑み!)、続けたいとは思わない。

仕事をして、たまに旅行をして、子どもができて、年取って死ぬ。そういう生き方もいいなと思いつつ、でもなんか違うなって。それはそれで憧れもあって、凄いことだとも思うんだけど。

 

旅を終えて、普通に仕事をするか、もしくは世界で歩くかで悩んでいます。わがままを言うと、理想は世界を歩くこと。徒歩で世界一周をしたい。ビビっているのもあるけど。(笑) そして、自分で消費するだけではないような旅をしたい。でも、日本一周の後のことはまだまだ考え中。

お散歩をするのは大好きだから、死ぬまで歩き続けたいな、とは思ってる。

 

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ー旅をしていて、「今、豊かな時間だな」って感じた瞬間ってあります?満たされているなっていう時。

 

北海道の稚内市に行く途中に、「エサヌカ線」という直線の道路があるんだけど、そこを歩いた時は泣きそうになった。俺、ここまで来れたんだって。ここまで来させてもらったんだって。歩けるなんて幸せだなって。

とても満たされた時間だった。(日本最北端である)宗谷岬に到着するよりも、前日に歩いたエサヌカ線のほうが感動して。

でも、歩いているときは大概満たされているね。みんなができないようなことをさせてもらっているし、自分の足で歩けている。歩けること自体が幸せ。自分で進めるんだから。ありがたいよ。

 

徒歩での旅も、「道」があるからできるし、その「道」は誰かが作ってくれたもの。

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ーこれだけは、旅でゆずれないぞ!というこだわりってあります?

 

”あしあとのつなぎ”と、途中で日本一周をやめることは許されません。あと、実家に帰ることも許されない。

”あしあとのつなぎ”というのは、例えば車に乗せてもらったら、その地点まで戻してもらって、あるいは自分で戻ってそこから歩く、一筆書きで日本一周をするということ。「あしあとはつなげる」と決めたから。

日本を歩く、って決めたら歩かないとね。でも、リアス式海岸でちょっとショートカットした場所はあったけど、そこにはこだわりがなかった。(笑) でも、”あしあと”はつなぐ。

 

ー最後に、他の「徒歩で旅したい!」という人に送りたい言葉とかありますか?

 

えー!?難しい・・・。(笑) 感謝を忘れずに、ですかね。色んなものをいただいてばかりだけど、それに慣れてしまうということが、自分も少なからずある。人に生かされているし、自分1人で旅をしているのではないから。

徒歩での旅も「道」があるからできるし、その「道」は誰かが作ってくれたもの。食べ物だって、誰かが作ってくれたからいただけるもの。そもそも俺だって、親のおかげで生まれている。言葉を話していることだって、誰かが教えてくれたから出来るものなんだよね。感謝ばっかりだね。自分の力だけではないということを、常に思いながら旅をしましょう、と。

 

ー「道があって」という発想って、実際に徒歩で旅をしていないと出てこない気がする。僕も自転車で日本一周しているけど、道路との間に物理的に乗り物が存在するから、その気づきは得づらい。徒歩だと靴はあるけど、直接自分の足で歩いていたら、自然とそういう発想になりますよね。

いやはや、今日は旅の途中で時間を取ってもらってありがとうございました!

 


 

日本一周お散歩旅人・さるぼぼさんへのインタビューは以上です。

以前からずっと「この人は面白いな」と思っていたけれど、実際に話をしてみたら、さらに面白い展開になった!

ちなみにこれから、さるぼぼさんは福井・敦賀を経由し、日本海を通って沖縄に向かうそうです。もし道中で姿を見かけたら、声をかけてみると面白い展開になるかも・・・!?

 


Twitter:@mot_sarubaby

日本一周ブログ:さるぼぼ、日本を歩く。~日本一周 時休地足の旅~

 

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2016.07.26
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