海外旅行でクレジットカード付帯保険は本当に使える?保証内容と範囲を徹底的に調べてみた

 

海外旅行を楽しむためには、万が一病気・事故が起こってしまった場合でも保証される「海外旅行保険」への加入が必須!なかでもクレジットカードに付帯している保険なら、気軽に利用できます。

最近海外へと進出し始めたんですが、「もし海外で事故った場合、手元のカード保険で本当に対応できるの?」と気になりました。知識がないと、実際に事故を起こしたときにテンパってしまいます。

今回は「海外旅行でクレジットカード付帯保険は本当に使えるのか?」という点と、カード付帯保険の基礎知識、保険内容ごとに保証される項目を全て調べてまとめてみたので、紹介します!

(※)万が一海外旅行中に事故が発生しても問題ないよう徹底的に調べているつもりですが、保険会社等で公表されているデータ以外は素人見解なので、実際に利用する際にはご自分でも情報収集するようにしてください。

 

【結論】そもそもクレジットカード付帯保険だけで足りるの?

 

海外旅行保険を契約する際、「クレジットカード付帯保険を選ぶ」か「有償で海外旅行保険を契約する」か二択を迫られますが、付帯保険だけで足りるのか?が一番気になるポイント。

もちろんカードの保証内容や国々によって変わってくるんですが、世界中の保険金支払い事例を見ていると、東南アジアなど物価が安い地域であれば複数枚のカード利用で足りるケースもあります。

しかし!ヨーロッパ各国やアメリカなど治療費が高い国の場合、重大な事故・病気によって治療を受けると1000万円〜2000万円程度の治療費がかかり、カードの付帯保険では足りなくなってしまいます。

 

各国の保険料支払い事例
  • アメリカ:レストランに並んでいたところ意識を失い救急車で搬送。心不全と診断され5日間入院・手術。家族が駆けつける。→1,836万円
  • ハワイ:昼食後に腹痛を訴え受診。急性すい炎と診断され10日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 →904万円
  • 中国:トイレに立った際に違和感を訴え救急車で搬送。脳梗塞と診断され29日間入院。家族が駆けつける。→605万円
  • タイ:スピードボートに乗船中、波の衝撃で腰を強打し救急車で搬送。腰椎圧迫骨折と診断され7日間入院・手術。家族が駆けつける。→672万円

出典:ジェイアイ傷害火災保険会社 2016年海外での事故例

(※あくまで一例であり、特に高額な保険料支払いが発生した事例をピックアップしています。)

 

他にも、盲腸など治療費が高額な手術を受けるとアジア圏でも厳しくなりますし、アメリカでも軽症なら保険範囲内で問題なく治療できます。こればかりは、運になってしまいますね。

しかし1000万円以上の治療費が必要なケースは滅多になく、2016年の事例だと半数近くが65歳以上の高齢者となっているので、少なくともヨーロッパ・アメリカ以外ならカード保険だけでも事足りそうです。

カードの付帯保険なら、死亡費用以外は複数枚のカードを使って保険料を合算できる・・・というメリットもあるので、手持ちのカードと渡航先で必要な医療費を一度調べてみてください。

 

海外旅行付帯保険付きのカード選びで気をつけておくべきポイント

保険金額・内容はカードによって大きく異なるので注意

楽天カード 楽天プレミアムカード(ゴールド)
傷害死亡・後遺障害 2000万円 5000万円
傷害・疫病治療 200万円 300万円
賠償責任 2000万円 3000万円
救援者費用 200万円 200万円
携行品損害 50万円 50万円

 

契約するカードによって付帯保険の範囲や内容が全然異なるので要注意!無料のカードのなかには海外旅行保険自体付いていないこともあるし、保証金額も会社やグレードによって全然違います。

例えば、海外旅行保険で最も重要となる「傷害治療費用・救援者費用」の項目を見ても、無料のカードだと200万円・100万円、ゴールドカードだと300万円・500万円と大きな差があります。

渡航する国・地域によって医療費そのものも変わってくるので、これからカードを契約するなら事前に保証内容を見極めてうえで、複数枚契約するのが安心です。

 

【利用付帯・自動付帯】保険の発動条件はカードによって異なる!

▲「利用付帯」は交通費を支払うなど指定のアクションをして初めて保険が適用される。

 

実は、クレジットカードの保険は海外旅行に出かけた時点で発動する「自動付帯」と、現地までの交通費を支払って始めて機能する「利用付帯」と2種類あります!

カードやグレードによって条件が異なり、無料のカードでは利用付帯、ゴールドカード以上のカードは自動付帯であることが多いです。

利用付帯の場合、海外旅行保険を発動させるにはカードを利用して「ツアー代金を支払う」もしくは「現地までの何らかの交通費を支払う」必要があります。

発動条件からして圧倒的に自動付帯のほうが便利ですし、無料カードでも探せば自動で保険を使えるものもあるため、あえて利用付帯を使うメリットはありません。

ゴールドカードなど保険内容が充実しているカードの場合、金額の一部だけ「部分利用付帯」となっているケースもあるので注意しておきましょう。

 

 利用付帯 当該旅行に関する費用(ツアー費用・航空券代・電車など公共交通機関)を支払って初めて保険が発動
自動付帯 海外旅行時に自動的に保険が発動

 

海外旅行保険の有効期限は90日間が基本

一般的に、海外旅行付帯保険の有効期限は90日間となります。短期旅行なら全く問題ありませんし、長期滞在の場合はVISAの発行が必要な場合もあるので、特に問題ないかと。

先ほど解説した「自動付帯・利用付帯」を上手く組み合わせ、自動付帯の保険が切れた瞬間に利用付帯のカードで交通費を支払えば、実質的に保険期間が伸びる・・・という裏ワザもあります。

ただこの場合は保証を受けられるカードが1枚だけになって心もとないですし、一度帰国すれば再度保険を発動させられるので、あまりメリットがあるとは思えません。

 

現金がなくても手術を受けられる!キャッシュレス診察の有無

万が一海外で事故に遭ってしまった場合、「キャッシュレス診察」に対応しているカードがあれば、手元に現金がなくとも治療を受けることができます!

キャッシュレスで利用する場合、病院へ行く前にカード会社へ問い合わせて事故の状況を伝えると、最寄りでキャッシュレスに対応している病院を教えてくれます。

現地の病院では対応していないことが多く、都市部にある大病院で治療を受ける必要があるため、即座に治療を受けられないデメリットも存在します。

 

キャッシュレス診察に対応している病院でなくとも、一度自分で立て替えてあとで申請すれば、治療費をきちんと支払ってもらえます。

ただアメリカなど高額な治療費が必要な国だと、手元にある現金だけでは対応できないケースが非常に多いので、多少不便でも使用する必要があります。

キャッシュレス診察自体は当たり前になっているようで、ほとんどのカードで利用することができます。大々的に表記しているカード会社も少ないですが、一応確認しておくようにしましょう。

 

複数枚のカードを組み合わせて保証金額を増やすことも可能!

 

1枚のクレジットカードだけでは保証金額が足りないことも多いですが、複数枚のカードを使えば保険金額を合算することができます!

「傷害死亡」など一部の項目は合算できず、保険金の多いカードが適用されます。その他の「傷害・疫病治療」「救援者費用」「賠償責任」「携行品損害」などは全て合算可能です。

大抵のカードは1枚だけでは保険金額が足りず、特に無料のカード一枚では厳しいので、積極的に海外旅行をするなら複数枚契約しておきましょう。

 

【付帯保険で合算できる保険内容】
  • 傷害死亡→不可:保証金額が大きいカードの保険を適用
  • 傷害・疫病治療:合算可
  • 救援者費用:合算可
  • 賠償責任:合算可
  • 携行品損害:合算可

 

海外旅行付帯保険で保障される内容一覧

傷害死亡・後遺傷害

その名のとおり、突発的な事故等によって死亡、もしくは日常生活に影響する後遺障害を追ってしまった場合に保証される費用です。

良くクレジットカードを契約する際に「傷害死亡は◯◯万円まで保証!」と大々的に紹介されていることがありますが、実際に発生する確立はごくわずかで、傷害・救援者費用のほうがよほど重要。

ただ海外で万が一死亡してしまった場合、「死亡に関する各種手続き」に加えて、「日本までの搬送費用」も必要になるので金額が膨れる傾向にあります。

日本に親族・家族がいる場合、当然それらの費用が重くのしかかってくるので、死亡保証が一切必要ない・・・とは言えません。

また先ほど述べたとおり、他の項目とは違って傷害死亡は他のカードと保険金額を合算できず、より高いほうの金額が適用されます。

無料のクレジットカードだと500万円〜1000万円程度の死亡保証が付いている場合が多いですが、実際の判例を見ると1000万円〜3000万円ほどかかっているケースもあるので、配偶者・子どもがいる場合は最低でもゴールドカードレベルの死亡保証が欲しいところ。(3000万円〜4000万円程度)

 

傷害・疫病治療費用

海外に渡航中、死亡までには至らないが何らかの怪我・病気に遭ってしまい、治療のための診療・入院で発生する費用です。

海外旅行保険のなかで最も事故件数が多い項目(2016年度は全体の51.5%が傷害・救援者費用)なので、傷害死亡・後遺傷害の額が大きくても傷害治療費用の金額が少なければ意味がありません!

無料のクレジットカードに付いている保険料は200万円程度で、アジア圏なら2〜3枚カードを揃えれば盲腸の手術でも保証範囲内で支払うことができます。

 

ただヨーロッパやアメリカで転倒による骨折、他に心筋梗塞など重症になってしまうと楽に1000万円を越えてしまうので、カードの付帯保険では厳しくなります。

高額な医療費が発生する国では、無料のカードはもちろんゴールドカードレベルのカードを複数枚所持しても足りないので、素直に有料の海外保険を選んだほうが安心です。

(※)傷害治療費用・疫病治療費用は本来保証内容が異なるんですが、内容が似通っているのと、大抵のクレジットカードは限度額が同じなのでまとめて紹介しています。

 

救援者費用

突発的な事故・病気によって被保険者の生死が確認できない場合の捜索・救援費用や、現地まで家族が駆けつけたことによって発生する交通費・宿泊費を保証する項目です。

傷害治療費用と合わせて海外旅行中に最も発生件数が多くなっていて、盲腸など入院が長期化した場合に家族など同伴者が駆けつける必要があるので、こちらも重要視すべきです。

救援者費用がどの程度発生するかは、日本への「医療搬送」を行うかどうかで金額が大きく変わってきます。定期便を使うと600万円、チャーター便を使うと2500万円も必要になります。

 

例えば保険会社の過去の事例によると、アメリカで事故が発生した場合に日本へ医療搬送を希望し、チャーター機を利用したため6000万円もの保険金支払いがされた事例があります。

現地の病院ではなく、近隣や日本の大病院へ搬送する理由は「治療体制の違い」などの理由が大きく、後進国で複雑な病気・怪我を追った場合に高額な救援者費用が発生する可能性も。

とはいえ300万円以上の高額医療費用発生事故が2016年度で70件、そのうち65歳以上の高齢者による事故が全体の8割を占めるので、「高額医療費が必要な事故はほぼ発生しない」と考えて良さそうです。

医療搬送を行わない場合、渡航費用・宿泊費ともにそれほど高くないので、無料のカード一枚(100万〜200万円程度)で十分まかなえます。

 

各国の医療搬送事例と必要な費用目安(定期便利用)
  • 韓国・中国等の東アジアの近距離搬送 約250万~350万
  • タイ・フィリピン等の東南アジア 約300万~400万
  • ハワイ・グアム等の太平洋諸島 約400万~500万
  • インド・中東 約350万~450万
  • アフリカ 約400万~500万
  • 北米・欧州 約600万~700万
  • 南米 約700万~800万

出典:特定非営利法人 海外医療情報センター

 

携行品損害

旅行中に持ち物(バッグ・カメラ・スマホ・パソコンなど)が盗難・破損・偶発的な事故でによって損害を受けた場合、その時点での時価・もしくは修理費用で低い金額を保証してくれる項目です。

携行品一点あたり10万円の限度額を設定している保険が多く、大抵の無料カードは30万円の保証がついていますが、海外にそれほど高額なものを持っていくことがなければ十分な金額です。

ただし海外で強盗に合い身ぐるみを全て剥がされた場合、限度額いっぱいでも保証しきれないことがあるため、複数のカードを持ち合わせていると安心。

 

賠償責任

滞在しているホテルの物品を破損、他の旅行者と誤って接触した際に物品を破損させてしまうなど、他者への賠償責任が発生した場合に必要な費用です。

実際に事故発生の事例を見てみても、10万円以下の損害額が多い一方、無料のクレジットカードでも2000万円程度の補償額が付いています。

全体の事故発生率から見ても賠償責任は1%程度であり、傷害・救援者費用と比べればそれほど気にせずとも問題ないでしょう。

 

海外旅行保険選びでチェックしたい実際の支払い事例

海外旅行中の事故発生率は全体の3.40%(29人に1人)

海外の医療情報・事故データを公開している「ジェイアイ傷害火災保険」によると、2016年度の海外旅行者のうち、何らかの事故に遭遇した人の確率は全体の3.40%にのぼるそうです。

ジェイアイ傷害火災保険の加入者・保険支払者に限定した統計で、国・怪我の程度に限らず全て合わせた数字とはいえ、29人に1人が事故に遭遇している・・・と考えれば怖いですよね。

参考になるかはわかりませんが、2017年度の国内交通事故発生率を見ると、全体の0.57%が何らの交通事故に遭遇しています。174人に1人が事故に遭っている計算で、この数字を見るとやはり高めかなと。

 

高額医療支払事例は圧倒的に65歳以上の高齢者が多い

しかし!一方で、同じく「ジェイアイ傷害火災保険」のデータによると、300万円以上の高額医療費用事故70件のうち、全体の半数近くが65歳以上の高齢者によるものだと判明しています。

国内の年齢別出入国統計(法務省)を見ると、65歳以上の高齢者が全体の20%を占めることがわかっています。高齢者というだけで大きく事故・病気率が跳ね上がるわけですね。

1/5の旅行者が全体の半分近く事故に遭っていることになるので、若いだけで圧倒的にリスクが低くなることがわかります。軽症レベルならカードの保険でも賄えるので、有償保険に加入しない選択肢もアリかと。

 

海外旅行保険支払いの50%は傷害治療保険・救援者費用

記事内で何度も解説していますが、海外旅行保険で実際に支払いがあった事例のうち、半分以上が「傷害治療保険・救援者費用」であることがわかっています。続いて多いのは携行品損害。

クレジットカード付帯保険や、有償の海外旅行保険にはやたらと「死亡保証が◯◯◯◯万円!」と大々的に謳っているところが多いですが、実際に必要なのは傷害・救援者費用なので要注意!

どれだけ死亡保証が多くついていても、実際に事故・病気に遭遇して保険金が支払われなければ全く意味がありませんので、保険を選ぶ際はこの二点をジックリ見て決定するようにしましょう!

 

結論:渡航する国・地域によって使い分けよう!

というわけで、今回は「海外旅行でクレジットカード付帯保険は使えるのか?」を実際の保険料支払い事例を見ながら解説してみました。

「渡航する国・地域によって有料保険・付帯保険を使い分ける」のが一番ですが、カードの付帯保険を最大限利用しつつ、最も事故例の多い「傷害治療保険」が足りなさそうであれば有償の保険を契約するのが最も安上がりになりそうです。

保険の性質上、掛け金を可能な限り増やして安全を買うに越したことはありません。ただ海外旅行をする度に保険をかけていては莫大な金額がかかるし、長期滞在となるとなおさら。

もちろん、高額な医療費を請求されて人生終了!という事例は普通に想像できますので、普段の旅行ではカードの付帯保険でしのぎ、医療費が高額な「アメリカ(特にハワイ)、ヨーロッパ」を旅するときは遠慮なく保険を契約することにします!

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