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「馬」とともに自給自足し、馬耕・馬搬で暮らしをつくる。うまや七福・横山晴樹さん【長野県伊那市】

 

周囲をアルプスの山々に囲まれた場所にある、信州・伊那谷、高遠町。

見渡す限り「山と川」しかない辺境の場所に、「馬と共に自給自足」をキーワードに生活する「うまや七福」の横山夫婦のお住まいがあります。

今回は、自転車日本一周旅行の途中で非常に面白いことをしている夫婦に出会って、1ヶ月も居候することになったので、ご紹介します!

 

良かったらウチに泊まりにくる?

ことの始まりは、11月初旬の雨の日のこと・・・。

伊那谷・高遠町にポレポレの丘という遊び場があるんですが、その場で学校を作った友人がおり、滞在させてもらっていたときに偶然同じ場で「高遠プレーパーク」というイベントが開催されたんですよね。

その場に横山さん家族も遊びに来ていたんですが、夫婦共々「過去に世界を旅していた」という経歴を持っていたため、自転車日本一周中の自分に声をかけてくれたんですよ。

「良かったらウチに泊まる?」という甘い声に導かれて、全ては始まったのでした。

 

 

現在、「”馬”とともに自給自足」を目指している横山さん夫婦。

夫である晴樹さん(ヨッサン)は過去に世界中を放浪し、2ヶ月間滞在したモンゴルで馬との生活を目の当たりにしたとき「これは!」と思い、馬と生活することを決意したらしいんですよ。

一方、奥さんの紀子さん(のりたけ)は東京・世田谷のプレーパークでプレーリーダーを10年も勤めており、たまたま縁のあった高遠町にある「フリーキッズ・ヴィレッジ」のイベントへ。

当時スタッフをしていたヨッサンと意気投合して結婚することになったらしいんですねー。娘のいろ葉ちゃんは現在1歳。野生児みたくそこらを走りまくってますw

 

本当に”たまたま”出会った関係ですが、やっぱり旅中に声をかけてくれる人って人間的魅力が高かったり、面白いことをしている人が多いですね!あらためて実感いたしました。

 

「馬耕」を世に広めること

 

馬で畑を耕す”馬耕”。大正時代には盛んに行われていた方法ですが、機械化が進むにつれ化石燃料に取って変わられるようになりました。

時代が進むに連れ衰退していく一方の馬耕ですが、一方で「持続可能な暮らしには馬が欠かせない!」と馬耕・馬搬の良さを広める動きも一部あります。

ヨッサンも、そのなかの1人。モンゴルで見た「馬との暮らし」をベースに、この日本で”馬”と”農”を使って暮らしを創っていこうとしてるみたい。

 

 

ヨッサン:

「循環型の生活をするには、馬が必要だと思うんだよね。野菜の切りくずや捨ててしまうところが餌になって、出たうんちが堆肥になる。自給自足の生活をしていきたいし、馬そのものが大好きだから、馬と一緒に生活をしてるんだよね。もっと馬耕や馬搬を広めていきたい。」

 

「馬と生活」・・・現代に生きる都会人からしたら想像も付かないけれど、昔はそれが普通だったんですよね。当たり前のように生活の中に「馬」がいて、移動手段として、運搬手段として、耕作の手段として利用されていた。

当たり前じゃないからこそ、そして「価値」があるものだからこそ、広めていきたいと思う。実際、全国各地から「馬耕をしたい」と人が訪れ、お金を払って体験しています。それだけ価値があることなんだね。

現代の都会だと動物園ぐらいしか馬を見る機会はないけれど、一緒に生活してみるというのも面白いものです。関係ないけど、なんで馬ってわざわざ人間を乗せて歩いてくれるんだろうね・・・(笑)

 

▼馬を使って木材を山から搬出する「馬搬」も体験させてもらいました。

これからの林業は、馬で木材を搬出する「馬搬」だ!循環型・自給型社会を目指すために。

 

 

馬耕と同時に乗馬体験もやってるみたいなんで、乗せてもらいましたw

馬の名前はビンゴ。よろしくねー!

 

 

馬に乗せて辺りを散策させてもらいました。馬は公道上では軽車両扱いになるので、車道走行可です!

馬に乗りながら、田畑や自然の広がる場を巡る・・・なかなかたまらん体験ですな。

昔にタイムスリップしたような感じ。乗馬体験の時も、こんな感じで周囲の田畑まで歩いて案内してくれます。

 

自分たちの食は自分でつくる

 

「馬とともに自給自足」がキーワード・・・なので、馬耕をしつつ農業も自分たちでやっています。

自分たちの必要な食料を補うことが第一ですが、市場に出すこともあるみたい。もちろん、最初から高く売れるわけではないけどね。

 

 

皆が良く知っている、”小豆”の収穫!豆の状態は食べるときに見るけれど、収穫前ってこんな形をしているんだね・・・初めて知りました。

 

 

ご飯も「馬耕米」として、馬で耕した畑に自分たちの手で稲を植え、育てています。なんというか、白米を食べると日本人としてのアイデンティティを強烈に感じるね。

新米なので、これがモチモチしてめっちゃ美味いの!さらには・・・。

 

 

なんと、現代ではなかなか見られない「釜焚き」です!これにはビックリ。

新米と釜焚きを合わせると・・・どれだけ美味しいか、もう想像するだけでわかるでしょ?(笑)

 

 

昔もこんな感じでお米を炊いていたのかなぁ・・・。

横にある薪ストーブは鋳鉄製のお高いもので、オーブン機能付き。趣がありますなぁ。

 

畑に関しては、最初から全て上手くいくわけではないけども、色々と試行錯誤しながら作物を育てているみたいです。

ちなみに、この辺りの集落には耕作放棄地が一杯あるので、地元の方と顔つなぎさえ出来れば格安で畑を貸してくれます。2人はこれを上手く利用して作物を育てているみたい。

これぞまさに、資源の有効活用!

 

 

地域に住むおじいちゃん・おばあちゃんも優しい人ばかりで、余った野菜を積極的にくれたり、昔の知恵を教えてくれたりします。

その代わり、こちらも労働力が必要な時には提供するという関係。地域の人は「なんでも挑戦したらええ!」という考え方で、田舎独特の陰湿ないじめなんかはあまりないみたい。

田舎では珍しいほうなのかな、と思ったんですが、周囲の人も優しいし、環境も凄くいいし、住むならここかなぁ・・・と直感的に思ったりね。

 

人がいっぱい集まれる場を作りたい

ちなみに今住んでいる家は、もともと古民家を上手く再生して作ったそうですが、当時はとんでもない姿だったという・・・。

 

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最初はこんな、吹けば飛ぶような「小屋」状態だったものを2年かけて、

 

 

ここまで復活させました!すごすぎ!

古民家リノベーションについては、下記の記事で詳しく書いているので、よければ。

 

囲炉裏を復活させよう!古民家リノベーションで「囲炉裏復活プロジェクト」はじまるよ。

 

 

ヨッサン:

「人が集まれる場所にしたいと思って、この家を作ったんだよね。ふらっと人が来れるような、ゲストハウスみたいなね。ふらっと集まって、面白いことをする。今までも旅の途中でお世話になった人にも来てもらっているし。集まった人でお酒を呑んだり、音楽をやれれば幸せだよね。人が来てくれると楽しいし、色んなことを知れるし。」

 

誰でも来ていい・・・というわけではないけれども、旅人には来て欲しいし、移住を検討している人、馬耕を体験したい人はウチに寄って欲しいという。オープンな感じでいいね。

まだ暮らしを作っている段階だから、ドカドカ入れるわけではない。けど、「ここに来たい!話を聞きたい!」という人にはぜひとも寄って欲しい。

ちなみに「民泊」という形で宿泊もできるので、お金を払って泊まりたい人もぜひ、だそうです。馬耕体験も出来るらしい。

 

ヨッサンは「馬」と「家」ばっかり追いかけているけど、「夫婦関係は大丈夫なのか・・・?」という疑問が湧いてくるころでしょう。

ここで、奥さんののりたけにも「夢」を聞いてみましょう。

 

 

僕:

「のりたけ(奥さん)の夢を教えてほしいなぁ。」

 

のりたけ:

「自主保育とか、色んな人が集まれる場作りもしたい。という思いはあるけど、ヨッサンのサポートをすることが好きなのかな、って最近気づいたんだよね。前に取り組んでいたプレーパークの仕事は、子どもの夢を応援する仕事。その子の夢を叶えるお手伝いをしたり、どうすれば夢が見つかるだろう?を一緒に探す仕事。もともと、人の夢を応援すること自体が好きなんだと思う。

私には馬をやりたいという思いはないんだよね。好きなのは好きだけど、毎日世話をできるほど好きなわけじゃない。たまの世話ならするけれど、毎日世話をするってのはそれだけ好きじゃないと出来ないことだと思う。」

 

夫婦は、お互いにない「対局」を求めて相手を探す・・・なんて言いますよね。ここの夫婦に関してはまさにそんな感じで、横山家を見ていると「ああ、人間なるようになるんだな」と思わされますw

 

 

子育て環境にも恵まれた長野県で、馬で馬耕をし、農で自分たちの食を作り、家も地域のみんなで改修しちゃう。

家に集まった人と一緒に楽しいことをして、色んな人と出会って・・・本当、暮らしが洗練されてますね!かっこいい!

それにしてもいろ葉さん、あなた本当に野生児だねw 10年後の姿が見たいから、10年後には必ず戻ってこよう。うんw

 

おわりに

というわけで、偶然の巡り合わせで出会った横山さん一家を紹介させてもらいました。

偶然の出会いだったけれど、出会えてよかった!と心から思いました。こういった暮らしもあるんだなと。まだ始めたばかりかもしれないけど、これからも行く末を見届けたいなぁ、とニートながら思いましたよ。

11月末まで滞在する予定なので、まだもう少し家に置いてもらいます。最後まで暮らしを楽しみたいな。そう思わせてくれる、とっても素敵なご夫婦でござんした。受け入れてくれてありがとう!

 

 

「ぜひ来てねー!」

 

ということで、「どうしても行きたいんだ!」という方は、旅人でも農家民宿希望でも、とりあえず僕まで連絡いただければと思います。本当に素敵なご夫婦なので、ぜひ!

TwitterFacebookでメッセージをもらえれば、反応できると思います。返信がない場合は恐らく届いていないので、しつこくご連絡くださいw

ヨッサン、のりたけ、いろ葉ちゃん、本当にありがとうね!最後までよろしくお願いします!では!