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【熊野古道】大門坂を登り、熊野三山最後の神社「熊野那智大社」へ参拝!【4日目・熊野速玉大社・熊野那智大社】

 

先日から始めた熊野古道・中辺路巡礼もいよいよ大詰め!熊野本宮大社・熊野速玉大社と回り、本日は最後の熊野三山「熊野那智大社」を目指します。

新宮方面から出発して、昔ながらの王子浜・熊野坂を通って海を眺めながら那智方面に移動し、大門坂を登って那智大社・那智の滝まで進むことに。

熊野古道巡礼も最終日!ということで、全身バキバキの状態で疲れていますが最後まで頑張っていきましょー!w

 

▼熊野古道・中辺路巡礼3日目の旅日記はこちら

【熊野古道】熊野川舟下りと熊野本宮大社・熊野速玉大社へ参拝!【3日目・熊野本宮大社〜熊野速玉大社】

 

新宮城跡から昔ながらの王子浜・熊野坂を通って那智へ!

 

おはようございます!昨日は新宮城跡の東屋でいいスポットを発見したので、テントを張って一夜を過ごしました。本日はいよいよ熊野古道巡礼の最終日!

新宮市から熊野那智大社までそれほど距離がないということで、ちょっとゆっくり過ごしました。といっても途中電車に乗る予定なので、全て徒歩で移動するとなるとそこそこ時間が掛かります。

途中までは昔から熊野詣で使われてた巡礼道を通りつつ、那智大社まで移動するぜ!

 

 

熊野城跡から眺める、新宮市の町並み。 まずはコンビニで必要物資を購入しつつ、次の王子社を目指す!

 

 

新宮市街のすぐ近くにある「阿須賀神社(阿須賀王子)」。敷地は小さいですが、世界遺産認定されている立派な神社です。さすがに熊野三山ほどの人気はないらしく、誰も参拝客はいませんでした。

 

 

熊野新宮大社と同じく、朱塗りの美しい本殿。本殿の左手には宝物殿もあります。早朝から参拝すると気持ちがいい!

 

 

この先にまだ王子社が2つ残っていて、阿須賀王子近くにも「浜王子」が残っているのでそちらへ向かいます。

 

 

新宮市の町並みを眺めながら、次の場所へ。まだ通勤時間帯らしく、仕事場へ向かっているであろう人が多数いました。

 

 

こちらも新宮市街の近くにある「浜王子」。次の王子まではそこそこ距離があり、徒歩移動していると時間に間に合わないので一旦スルーすることに^^;

 

 

次の目的地までは国道ではなく、道も整備されていない海岸沿いを通っていきます。浜王子から海沿いの道を目指すと・・・。

 

 

だだッ広い海岸が広がる「王子ヶ浜」に付きます!昔から熊野詣でも使用されていた海岸道らしく、海岸の端から端まで歩いていきます。

途中まで一応海岸沿いに整備された道を歩けるんですが、せっかくならひたすら砂浜を歩いてみることに。波が荒く石がゴロゴロしているため、歩くたびに靴が沈んで歩きにくい!

ただ周囲を見る限りまともに人がいないので、ほぼ貸し切り状態です。

 

 

海沿いを通るJR紀伊本線。のちほど途中の駅から那智駅まで乗車する予定。2時間に1本程度しか走っていないので、時刻には要注意!

 

 

ひたすら45分ほど砂浜を歩き、ようやく端まで来ることができました。めちゃくちゃ距離があった・・・最初こそ「貸し切りだぜー!」と浮かれてたんですが、あまりの遠さにすぐダレましたw

 

 

JRの高架をくぐり抜けて、次の場所へ。

 

 

ちょうど高架をくぐった先には、わりとキレイなトイレがありました。水道水も十分飲めそうだったし、この辺りは人通りも少ないので快適に野宿できそうですな。

 

 

トイレの右手には、昔から参拝道として使われていた「高野坂」の入り口。全長1.5kmほどの短い山道で、アップダウンも特に激しくない一方で昔ながらの道を眺めながら那智まで向かうことができます。

 

 

もう少し進むと、「熊野古道高野坂」の石碑が。この辺りは熊野三山と比べてわざわざ通る人が少ないので、周囲を気にせず思い切り昔の参拝道を楽しめます。

 

 

昔から使われている・・・という理由も大きいけれど、何より利用者が少ないので雰囲気のある苔石がそのまま残っています。これは・・・いい!

海沿いにある参拝道ということで、熊野三山周辺と違って明かりが差しているため鬱蒼とはしておらず、アップダウンもほとんどないので気軽に通ることができます。

熊野坂は気軽に熊野古道を体験するのに向いているのかも。雰囲気もいいので、個人的には毎日朝に散歩したい感じですね。

 

 

熊野坂の途中にある神社。観光客の多い熊野三山より神秘的だと思うのは自分だけ?

 

 

熊野坂を半分ほど進むと、一気に開けた道に出ます。少しルートを外れると展望台に出られるということで、せっかくなので寄っていくことに。

 

 

高野坂の展望台から眺める太平洋。那智周辺は捕鯨で有名な場所で、ちょうどこの高台はクジラを発見した際に周囲へと知らせる役目を果たしていたそう。

 

 

高台で熊野灘の美しい光景を楽しんだところで、再び苔むした石畳を下っていきます。雰囲気があるのはいいが、気をつけてくだらないとツルツル滑るので要注意!

 

 

途中地元の人とこの辺りの地形についてまったり話しつつ、1時間ほどかけて高野坂の終点までやってきました。 ここからすぐ歩いた場所に町があり、コンビニや駅舎なども揃っています。

本当なら次の目的地である那智まで歩いていきたいところですが、帰りの乗車時間の関係で間に合いそうにないので、電車に乗って那智駅まで移動することに。

 

 

高野坂終点地の最寄り駅である三輪崎駅から那智駅まで一気に移動!なお先ほども解説しましたが、この辺は全然電車が通っていないため、2時間に1本ほどの列車に飛び乗る形になります。

今回は事前に情報収集していたためすぐに乗車できましたが、一度でも見逃すととんでもなく待たないといけないので、必ず時刻表をチェックしておくこと!

 

 

背後にすぐ海を控える、那智駅へ到着。ちょうどこれから熊野那智大社へ向かうであろう、外国人バックパッカーのカップルも一緒に降りてきました。

那智といえば、やはり海。まだ那智大社到着まで時間がありそうなので、少し海側の様子も見ておきましょう。

 

 

ちょうど那智駅の真裏にある海水浴場。今日は天気が良いのもあって、見ているだけで非常に気持ちがいい!駅の裏側にあるといっても、線路を挟んでいるので一度高架を登って渡る必要があります。

あまりに気持ちよさそうだったので、30分ほど昼寝して気合をチャージし那智山へ向けて最後のアタックを仕掛けます!いざいかん!

 

大門坂を登り、熊野三山最後の「熊野那智大社」へ参拝!

 

昼寝で気合いをチャージしたところで、いよいよ熊野三山最後の「熊野那智大社」へと向かいます。那智駅から8kmほど進んだ場所にあり、基本的には登りですが2〜3時間ほどで行けるそう。

 

 

熊野那智大社へゆく前に、那智駅からすぐ近くにある「浜の宮王子(熊野三所大神社)」と「補陀洛山寺」へと寄っていきます!本来は神仏習合の同じ施設であったそう。

ちょうど那智大社も神仏習合の名残で隣に青岸渡寺がありますよね。

 

 

それぞれ参拝を済ませたところで、まずは舗装路を歩いて大門坂への山道まで向かいます。このあたりは平坦で非常に歩きやすい。

 

 

2〜3km歩いたところで「熊野古道 曼荼羅のみち」と呼ばれるルートへ辿りつくので、右折して向かいます。

 

 

民家の間を縫ってとおり、小川沿いを進むと未舗装路に。

 

 

「いかにも熊野古道!」と言いたくなるような、年季の入った山道を進む。この辺りから登りが続くと思いきや、意外と平坦道が多く歩きやすかったですね。

大半の観光客は大門坂までバス移動してしまうようで、このあたりは全く参拝客を見かけることもなくまったり進むことができました。

 

 

山道を抜けると舗装路に出ます。左手には集落の霊園があり、高台になっているので周囲の集落を一望できます。

 

 

霊園から少し下り、旧道を通って大門坂の入り口までレッツゴー!この辺りは視界を遮ることもなく、ひたすら先が見えるので早くも疲労が溜まりましたw

 

 

旧道沿いに那智の名物らしい「那智飴」と呼ばれるものがなんと1袋100円で販売されていたので、補給食代わりに購入していく。これは安い!

 

 

味はなかなかシンプルで、あまり甘くない黒糖飴のような感じ。内容量がなかなか多くボリュームがありますが、これが100円でいいのだろうか・・・。

 

 

そうこうしているうちに、旧道の途中にある「市野々王子」に到着!熊野詣もいよいよクライマックス、大門坂近くにある王子が最後の九十九王子となります。

 

 

王子社への参拝を済ませ、再び集落の旧道を進む。ちょうど後半辺りから微妙な登りに変わりました。周辺には親切に自動販売機も設置されていたので、物資で困ることはなし。

 

 

旧道を抜けて、ついに大門坂の入り口にやってきた!熊野詣で参拝客が通る定番の坂として知られており、全長600mで標高差100mという険しい階段を進んでようやく那智大社へとたどり着くことができます。

これまでの王子社では全く参拝客がいなかったのに、大門坂の入り口に入った瞬間にどっと観光客が増えて驚き!どうやらツアーバスが頻繁に行き来しているようですね。

 

 

少し階段を登り、聖域と俗界とを分けると言われる振ヶ瀬橋(ふりがせばし)を進めば、いよいよ大門坂!その先には有名な夫婦杉も。

 

 

さぁ、大門坂をゆっくり登っていきましょう!少し階段を進むと、九十九王子最後の「多富気王子」があります。

 

 

苔むした歴史のある階段を、一歩一歩踏みしめていく。それにしてもツアーで来られていたお年寄りも皆登っているようですが、まさか最後まで歩くのか?めちゃくちゃ健脚じゃないか!

 

 

「熊野三山や四国遍路をしているお年寄りは最強すぎねぇか?」と思っていたんですが、ちょうど途中の場所で一般道につながっており、自分以外全員降りていってしまいました。

まぁ、そりゃそうだよね。熊野那智大社まで大門坂だけで740段もあるようですし、日頃から運動に慣れていないと若者でも厳しいでしょうし。

 

 

全身で神秘的な空気を感じつつ、貸し切り状態の大門坂を一人で登っていく。うーん、気持ちがいい!

 

 

無事に最初の267段を踏破!

 

 

先ほどの場所から少し進むと、観光センターや茶店が密集したエリアに到着。正面には熊野那智大社までの参道入口があり、ここから473段の階段を登ってゆきます。

 

 

那智大社への参道沿いには多数の土産屋や茶店が営まれており、途中で休憩がてらお店に寄っていくことも可能。面白そうなお店もあって、ぜひ次回来たときはゆっくり回ってみたい。

 

 

階段を登った先には、那智大社の鳥居。やっとここまで来れた!

 

 

「ついに熊野那智大社へ到着だー!」と意気揚々と最後の階段を駆け上ったんですが、まさかの御本殿が修復中で見られないようになっていました。^^;

うーん、仕方がないとはいえ残念すぎる。一応参拝はできるようです。

 

 

熊野那智大社の隣には、西国三十三ヶ所の第一番札所として有名な「青岸渡寺」も。神仏習合で本来は那智大社と一体の存在らしく、ところどころ似ている箇所が多かったです。

四国遍路を達成した身としては、ぜひ西国三十三ヶ所にも挑戦したい。こちらは草創1300年と四国より巡礼の歴史が古い一方、マイナーなのでそれはそれで面白そうなんですよね。

残念ながら青岸渡寺も改装中で外観を見れませんでしたが、少なくとも3年以内にはもう一度来て西国巡りをしたいと思います。

 

 

そして、熊野那智大社といえば!落差133mで大迫力の「那智の滝」も背後に控えています。那智大社の信仰は迫力ある滝への畏怖・自然崇拝から端を発すると言われています。

 

 

敷地内にある、入場料300円で入れる三重塔より那智の滝を眺める。

 

 

青岸渡寺から徒歩15分ほどの位置に、熊野那智大社の別宮で那智の滝自体をご神体とする「飛瀧神社」へ。

 

 

神社の階段を降りてゆくと、目の前には大迫力の那智の滝が!この距離で見ても凄まじい迫力です。まともにインフラが整備されていない時代にこの迫力を見てしまったら、そら自然崇拝するわ・・・。

那智の滝周辺でヒンヤリした空気を浴びつつ、いよいよ帰りのバスの時間が近づいて来たため撤収することに。名残り惜しいですが、必ず近いうちに来ます。

 

紀伊勝浦駅でマグロを食べ、帰路に付く!

 

熊野三山全ての巡り、無事に中辺路を制覇して今回のミッションは全て達成!中辺路は複数のルートに分かれているので、まだまだ残っているルートはありますが今回は一旦終わりとします。

全ての巡礼が終わってあとは帰るだけですが、帰りの特急列車の出発まで1時間ほど余裕があったので、那智大社からバスに乗って紀伊勝浦駅まで移動。サクッとマグロをいただいて帰ることにw

このあたりは本格的な料理屋が多く、まだ夕方だったのでほとんどの店は閉まっていたんですが、一件だけ開いている店舗を発見!

 

 

周囲の渋い店から比べるとカジュアルな「まぐろ三昧那智」へ。高級店と比べると大衆店な感じがしますが、安くでマグロが食えるならいいでしょう。

ということで、マグロ山かけ丼をサクッと食べて帰宅の準備が完了!やり残したことはもうないので、あとは帰るだけです。

 

 

JR紀伊勝浦駅へと戻り、行きと同じく「特急くろしお」に乗車して兵庫県の自宅へと戻ります!那智からは紀伊半島を大回りで進むことになるので4時間ほどかかりました。

 

おわりに

というわけで、無事に3泊4日の熊野古道・中辺路巡礼を達成することができました!短期間とはいえ、徒歩での巡礼は1年前の四国遍路以来だったので非常に楽しい一方、過酷でもありました。

熊野古道は紀伊路・大辺路・小辺路など色々ルートがありますが、最もポピュラーな中辺路は道が整備されているため難易度もそれほど高くなく、熊野三山を全て回れるので徒歩巡礼初心者の方にもおすすめしたいですね!

次回はぜひ、四国遍路の続きとして高野山から熊野本宮大社へと至る「小辺路」、そして熊野那智大社の隣にある青岸渡寺を第1番札所とする西国三十三ヶ所にも挑戦したいと思います!楽しみだ!