釣り師たるもの道具にはこだわりたいものですが、いちいち色々なタックルを買っているとお金がいくらあっても足りない!でも、ある程度の性能は欲しい!
初心者向け・サブ向けの安いリールって色々ありますが、その中でも特に性能が高い!と有名な「ナスキー」が気になっていたので、購入しつつしばらく使ってみました。
昔のリールと比べると、基本的な性能はやはり高い。しかし、実際に使うなかで一つだけ致命的な欠陥を発見してしまいました・・・。
今回は、1万円以下のリールの中でも特に人気の「SHIMANO 16ナスキー」を実釣で使いつつレビューしていきたいと思います!
16ナスキーのスペックと購入した用途
具体的なインプレをする前に、簡単に16ナスキーのスペックを紹介していきます。
ナスキーは1万円以下で購入できるリールとしてはかなり高性能で、上位機種にも採用されている高精度でなめらかな「HAGANEギア」、新しい防水機構の「コアプロテクト」を搭載。
下位機種のセドナや同価格帯のダイワ レブロスと比べてもスペック的にはかなり魅力的で、デザインも良好。ルアー釣り初心者なら、一度は検討することになるでしょう!
普段この価格帯のリールって使わないんですが、様子見的にクロダイのルアー釣りを始めてみたかったのと、サブ的な感じで使えればいいなーと思って購入しました。
なんだかんだ釣りって突き詰めるとすごくお金がかかるし、魚を釣るだけならこのクラスのリールでも快適に釣りができるので、初心者の方にもナスキーをおすすめする機会が多いです。
しかーし!!!このリール、基本的な性能はいいのに一つだけ「釣りにならないほどの致命的な欠陥」があるんです・・・。実際に使いながら説明していきます。
16ナスキーの実釣インプレ
基本的な性能は高くコスパはいい
まず最初に感想を述べておくと、「基本的な性能は高いな」と使っているうちに思いました。
ハンドルの巻き心地はやや重めですが、これまで高級リールに手を出したアングラーじゃなければ気にならないレベルだと思います。あと、これは上記の”致命的な欠陥の影響”もあります。
この価格帯のリールはベアリング数が少ないので仕方がない部分であり、その影響でラインローラーなんかも固着しやすいんですが、メンテしてればこちらも問題なし。
デザインは意外とサイトで見るよりもチープな感じでしたが、使っているうちに「カッコいいじゃん」と思うようになってきました。
ドラグ性能は調整幅が少なめなものの、極細ラインでやり取りする・・・とかじゃなければ問題ないレベル。ラインの出はスムーズです。
中高生のときは同社の「エルフ」という5千円ぐらいのリールを使ってたんですが、巻き心地もドラグ性能も雲泥の差レベルで、入門用・サブ用として割り切るならかなりおすすめできます。
▲ねじ込みハンドルじゃないのも気になるけど、それほどガタがあるわけではない
が!釣りをしていて、何度も「意味不明なタイミングで、手元で突然ラインが切れる」という事態が発生しました。
原因を突き止めると、このナスキーに致命的な欠陥があったんです・・・。
ナスキーの致命的な欠陥「いきなりラインが切れる」
根掛かりや軽くロッドをシャクったときに、やたらとラインが切れてしまうという事件が勃発。なぜ、唐突にラインが切れるのか?
今までこんなことはなかったし、まさか自分のミスのせいではあるまい・・・と悩んでいました。調査をすると、すぐ手元で切れているよう。
最初はロッドに原因があると思って、ガイドに傷がないかを丹念に調べたものの問題ありませんでした。ではリールが原因なのか?と釣りをしながら何度も調査してたんですが・・・。
あーっ!!!リールのラインローラーとベールの間にラインが挟まって、ブチブチ切れとるー!!!
えーっと、どういうことか簡潔に解説しますと、ナスキーって「ワンピースベール」を採用してないんですよ!
ある程度の上位機種なら、ベールとラインローラーの隙間にラインが挟まって切れてしまわないよう、パーツを追加したりしてスムーズにローラーまで滑るようになっています。
が、ナスキーはこの機構を採用しておらず、細いPEライン(0.6号〜0.8号)を使っていると上手く滑らずに隙間に挟まってしまい、軽くリールを巻いただけでズタズタになる有様。
▲ラインローラーにラインが乗って巻取りが重くなる
まだ使ってまもないころ、「同じ条件下で使っているのに、やたら巻き心地が重いときと軽いときがあるなぁ」と思ってたんですが、ローラーにラインが乗っておらず擦れていたのが原因でした。
この欠点、1.5号程度の太めのPEラインやナイロン・フロロなら問題にならないんですが、細いPEラインを使っているとブチブチラインが切れます。^^;
キャストのたびに切れないか確認しなきゃいけないし、エギングなど「テンションフリー状態から一気にシャクる」みたいな釣りだと切断確率が一気に上がってしまうため、それこそ釣りになりません。
▲ラインローラーの溝に挟まってギザギザに。少しでも引っ張ると切れる。
昨今のソルトルアー釣りでは極細PEラインが主流になっているので、普通に「全く釣りにならない」レベルの欠陥だと思います。
原因がわかってから多少マシにはなりましたが、それでも意図しないタイミングで突然切れるため、すぐラインを消耗するし、ルアーもどんどんなくなっていく・・・完全に安物買いの銭失いです。
「じゃあ、別のリールのワンピースベールをつければいいじゃん!」という発想も浮かぶんですが、調べる限りナスキーに関しては他機種の流用は無理らしい。
さすがに今の用途ではまともに使えないので、新しいリールを探すことにしました。南無・・・。
ショアジギングやメバリング・アジング・ブラックバスなど、太めのPEラインやフロロ・ナイロンをメインラインにするなら特に問題はありません。
一方、シーバス・エギング・チニングなど極細PEラインがメインの釣りをしようとしている場合は、ちょっと待った!
このリールを買うと、後悔するかもしれません・・・。
代替の選択肢は?安くて高性能なリールを探す
では、ナスキー以外で同価格帯・高性能なリールはあるのか?そもそも自分の用途では使い物にならないので、新しいリールを探すことにしました。
最初は、同価格帯のシマノ「17 アルテグラ」の購入を考えていました。Amazonだと1万円ちょいで買えるし、性能も悪くない。
が、なんとこのリールもワンピースベールを採用していなかった!!!シマノさん、これ極細PEライン運用前提なら必須といってもいいぐらいの機能なんですけどぉ!?
他に思いつくのは、ナスキーよりも安いダイワ社の「レブロス」。同じ価格帯のリールで、Amazonで7千円ぐらい。
巻き心地・ドラグ・重量等の性能については入門用さながらな感じですが、「エアベール」と呼ばれるライン移動がスムーズになる機構を搭載しています。
高性能を実現したいなら、「エクセラー」「フリームス」「EMMS」など2万円以下で購入できるリールがいくつかありますね。
エクセラー・フリームスはATDドラグ・マグシールドとダイワ社ご自慢の機能を搭載していて、EMMSはそれらに加えザイオンボディ採用でかなり軽量になっています。こちらは、別の釣りで実際に使ってます。
▼EMMSのインプレ・レビューはこちら
【実釣インプレ】ダイワ「EMMS(エンブレム)3012H」を3年間使ったレビュー
で、結局何を選ぶの?と一通り見て悩んでたんですが、今回はシマノ社のリールを買いたかったので、少し奮発して「ストラディック」「ストラディック CI4+」のどちらかを購入することに。
前者はAmazonで2万円以下、CI4+は超軽量になっていて、2万円ちょいで購入できます。アルテグラ以上のモデルはこの2つしかないし、性能的には申し分ないので消去法な感じ。
2つとも中級モデルの入り口的な立ち位置なので、予算が許せばかなりアリな選択肢だと思います。
ナスキーを2つ買える値段ですが、これまで海の藻屑となったルアーの金額を考えると全然あり。
今回は本格的に新しい釣りをしたい!という理由から予算を増やして中級リールを購入・・・という流れになったんですが、入門用なら7千円程度で買える「レブロス」でも問題ないと思います。
性能差は結構あるものの、まともに使えないほどのリールじゃなければ、安物を買ってあとから買い足すという流れで問題ないですからね。
その辺りはお財布との相談になってくるので、用途と予算を見極めつつ考えて見てください。少なくとも自分は、より釣りを楽しみたいので中級リールをポチります。
・・・釣りをしていると、いくらお金があっても足りねー!!!
おわりに
というわけで、以上「16ナスキーを実際に使って、性能・欠点などレビュー」のレポートをお届けしました!
最近は1万円以下のリールでもかなり高性能になってきているので、入門用なら安物でも失敗することは少なくなってきました。
が、今回のナスキーはちょっと異例で、用途によっては使い物にならないから別のリールを買ったほうがいいかも・・・。久々に「安物買いの銭失い」という言葉どおりの状況になりましたw
また新しいリールが届いたら、しばらく使ってみて使い心地などレビューしたいと思います。
それでは!