堤防で釣れる魚の中でも、最大級の引きとサイズを魅せてくれる「コブダイ」。難易度が高そうに見えますが、実は簡単に釣り上げられるんです!
凶悪な引きと面構えからは想像できないほど美味で、真冬にも釣れる巨大魚として一部の釣り人には人気の魚。ぜひ、この機会に狙ってみましょう。
- コブダイの基本的な釣り方解説
- 特徴的な習性や釣れるポイント
- コブダイ釣りで用意すべきタックル一覧
そこで今回は、手元のタックルでもコブダイ釣りが可能な「タンコブゲーム」の基本的な釣り方と、用意すべき装備について紹介していきます。
コブダイの釣り方動画(タンコブゲーム)
下記で紹介しているタックル+釣り方を利用して、実際に「沖堤防」でコブダイを狙ってみました!ぜひ釣り方の参考にしてください。
- ロッド:MH以上のシーバスロッドやショアジギングロッド
- リール:4000番以上のスピニングリール
- ライン:PE1号以上、リーダーはフロロ6号以上
- 仕掛け:超太軸のジグヘッド、またはブッコミ仕掛け
- 餌:冷凍バナメイエビなど
コブダイ釣りの仕掛け・タックル(ルアーロッド編)
ロッド:ショアジギング用など固めのルアーロッド
コブダイはベラ科の魚であるため、掛かった瞬間に根に潜ろうとします。突っ込まれてはアウトなので、強烈な引きに耐えられる強靭な竿が必要です。
一般的なシーバスロッドでもやり取りできますが、特に初心者のうちはブリ・ヒラマサを釣り上げられるような「ショアジギング用ロッド」があったほうが安心です。
ルアーロッドがなければ、大物釣り用の「投げ釣り用竿・磯竿」が使えます。餌を食ってからすぐ飲み込むので、感度は必要ありません。
▲動画内で使用したロッド
リール:4000番以上の頑丈なリール
基本的にコブダイは堤防の足元で釣りをするので、大きなリールは必要ありません。ただリール自体の強度を考えて、4000番以上は欲しいところ。
根に潜られないようにドラグをフルロックで釣りに挑むんですが、ヤワなリールだとラインを出されるだけでなく、最悪破損する可能性があります。
こちらもショアジギング用や、投げ釣り用の竿であれば安心してファイトできます。手元にベイトリールがあれば、様々な点で有利なのでおすすめ。
▲動画内で使用したリール
ライン:PE1号+リーダー6号以上
メインラインは、コブダイの引きにも耐えられればなんでもOK。ルアー用を流用するなら、PE1号〜3号程度もあれば十分かと。
ただしやり取りの最中に根ズレが発生することあり、擦れると一瞬で切れるため傷に強いフロロカーボンの6号以上を3m程度つける必要があります。
リーダーを20m以上巻いてしまうのもありですが、ラインが太すぎると糸ヨレでトラブルが大量発生するので、最低限の長さがあれば問題ありません。
▲動画内で使用したラインシステム
仕掛け:タンコブゲーム専用のジグヘッド
コブダイ釣りの要となる「仕掛け」ですが、今回の釣りでは「軽量ジグヘッド+超太軸フック」を組み合わせた「OWNER 虫ヘッドパワー」を使用します。
一般的に〜10gのジグヘッドは細軸のフックを使っていることが多く、モンスターコブダイが掛かった瞬間に針を伸ばされてしまいます。
軽量ジグヘッドで根掛かりを避けつつ、コブダイの引きをいなそうと思うとこの仕掛けしか選択肢がないため、あらかじめ用意しておきましょう。
基本的に上記の虫ヘッドを使うと気軽にコブダイを狙えますが、激流エリアなどジグヘッドが使いにくい場所も存在します。そんなときは「ブッコミ仕掛け」を使います。
15号程度の中通しオモリを通し、サルカンに接続したうえでハリスを50cm程度取ればOK。針はヒラマサ針など、コブダイの引きでも伸ばされないようなものを使いましょう。
- オモリ:中通しの10号〜30号程度
- サルカン:耐久性のある中型のもの
- 針:大きめのヒラマサ針など
- ハリス:50cm程度
餌:バナメイエビ(冷凍エビ)・カメノテなど
コブダイは「悪食」と言われるほど様々なものを食べるんですが、釣りでは一般的に「アケミ貝・牡蠣・オキアミ」が使われることが多いです。
ただし入手難易度と価格面で難点があるので、スーパーで売っている冷凍の「バナメイエビ」なら簡単に安く手に入るし、よく釣れるのでおすすめ。
撒き餌によく反応するので、エサ取りが少ない時期なら釣具屋でアミエビを買って撒いておくと、回遊してきたコブダイをその場に留めることができます!
- 【釣具屋で購入可能なエサ】オキアミ・アオイソメ・マムシ・アケミ貝・サルボ貝・岩ガニ
- 【スーパーで購入可能】バナメイエビ・川エビ・アサリ・ハマグリ
- 【自然採取できるエサ】イガイ・カキ・カメノテ・フジツボ・カニ類
コブダイの習性や釣れるポイントについて
コブダイの生態①:一匹のオスに複数のメスを抱えるハーレムを形成
▲コブが出ているのでオスっぽいですが、実はメス。
魚を釣るためにタックルや釣れるポイントの解説も必要ですが、最も重要なのは「対象魚の習性を理解すること」。謎の多いコブダイの生態を軽く解説します。
有名な話ですが、コブダイは成長の途中で性転換する珍しい魚です。一般的にオスのほうがサイズが大きく、成長するにつれてメスからオスへと性転換します。
オスは複数のメスを抱えてハーレムを形成しているため、必然的に小型のメスが釣れる確率が高まります。サイズを伸ばすには、ある程度数釣りをする必要があるということですね。
コブダイの生態②:巣に居つくが、餌を求めて周囲を回遊する
コブダイは見た目通り、青物などと違って一箇所の居着く魚。そのため、魚がいる場所で正しい釣法を行えば高確率で釣れる一方、全く生息のない場所では一切反応がないことも。
ただし巣にこもっているわけではなく、餌を求めて周囲を回遊します。回遊ルートもだいたい個体によって決まっているようで、魚の通り道で釣りをすれば高確率で釣れます。
「どこでもいるだろう」と動くと痛い目に遭うので、できれば釣果情報をあるエリアで釣りをしたいところ。近い漁港でも、一方では釣れるがもう一方では全く釣れない、なんてこともあります。
コブダイの生態③:意外と地合いに非常にシビア
コブダイ釣りの難しい点の一つが、「意外と地合いにシビア」だという点。それまで全く釣れなかったのに、地合いに入った途端連続して釣れる、なんてことがザラにあります!
しかも青物などと違って朝・夕マズメがいいというわけではなく、釣り場・時期によって異なります。場所によって上げ・下げ・潮止まりがいい、などと大体決まっているんです。
特に初めてのポイントだといつ地合いが到来するか全くわからないため、できれば1日中釣りをしたうえで、一匹釣れたら時間帯を覚えておくと次回以降に非常に役立ちます。
コブダイの生態④:日中に活動するため、夜釣りでは釣れない
コブダイは他のベラ科の魚と同様、夜間は寝るため夜釣りでは残念ながら釣れません。青物などと違って必ずしもマズメがいいわけではないので、日中に釣りをするのが吉。
青物と同じタックルで釣りができるので、秋のハイシーズンには朝方に青物を狙い、釣れなければコブダイ・・・といったローテーションができるので便利ですw
釣れるポイント:潮通しがよく水深のある堤防がオススメ
▲青物が釣れる堤防では高確率でコブダイも釣れる
瀬戸内海や九州北部など、コブダイの魚影が濃いエリアでは事実上どこでも釣れます。浅場にも回遊してくるため、底が見えるような漁港でさえ釣り上げることが可能です。
しかし!ある漁港で爆釣できても、隣接した漁港では全く反応がないことも。回遊してくる可能性はありますが、意外と条件にシビアでピンポイントで釣れにくい場所も存在します。
その年の水温でも付き場が変わったりするんですが、それらの影響を受けにくい「潮通しが良い+水深がある」エリアでは安定して釣れることがわかりました。
浅場の竿抜けポイントでも釣れますが、大体数釣り・大型が釣れるのは例外なく潮通しがよく水深もあるエリアで、特に「沖堤防」は魚のストック量も多い傾向にあります。
今まで多くコブダイが釣れたポイントを振り返っても、潮通しがそれほどよくないエリアもあるものの、ほとんどが水深15m以上あるような深場で数多く釣り上げました。
近くにコブダイ釣りで有名なポイントがない場合は、沖堤防や大型漁港などできるだけ水深があり、周囲で青物が釣れているようなポイントを選ぶと高確率で釣り上げられます。
コブダイの基本的な釣り方
①仕掛けを岸壁沿いに落とす
タンコブゲームの釣り方は超簡単!コブダイが頻繁に回遊している堤防ならどこでもOKで、釣り方も「餌付きの仕掛けを岸壁に落とす」だけ。
「落ちてくる餌によく反応する」性質があるので、堤防に沿って落とし込んでいくのもありなんですが、基本的には置き竿で問題ありません。
コブダイは餌を食ってすぐ根に突っ込もうとするので、ドラグを緩めておかないとタックルを全部持っていかれます。常に注力しておきましょう。
②アタリがあったら一気にフッキングして強引に巻き上げ
コブダイは餌を捕食するとき、噛み砕いてから丸呑みします。一応前アタリがあるケースもあるんですが、丸呑みして根に突っ込もうとする個体も。
躊躇していると一瞬で根に突っ込まれてラインが切れるので、「あ!コブダイのアタリ!」と思ったら強烈なフッキングをお見舞いし、巻き上げましょう。
やり取り最中も「凄まじい引きだ!!!」と堪能していると根に潜られるため、ドラグを強めにして無理やりにでも引きずり出してやりましょう。
番外編:エサ取りを回避する方法
真冬でも身近な堤防から釣れるモンスターとして人気のあるコブダイですが、冬以外でも釣れるものの、エサ取りに悩まされることになります。
バナメイエビなどを落とそうものなら一瞬でボロボロにされるため、エサ取り対策として「殻付きの貝類・甲殻類」が有効です!
これらの餌でも問題なく釣れますが、念のため軽く潰しておき、同じ餌を砕いて撒き餌として利用すると釣れる確率がアップします。
おわりに:真冬でも堤防から巨大コブダイを釣り上げよう!
というわけで、今回は堤防から意外と簡単に釣れる怪物「コブダイ」の釣り方・用意すべきタックルについて紹介してみました!
青物など夏〜秋と特定のシーズンしか楽しめない魚と違って、基本的に1年中狙えるのが最大の魅力!いついっても釣れるのは嬉しいですよね。
別名「カンダイ(寒鯛)」とも呼ばれる通り、冬のコブダイはマダイに劣らないほど美味で、美しい白身のお刺身は絶品中の絶品。
タックルさえ用意すれば初心者でも簡単に釣れます。ぜひ、堤防から釣れるヌシ、モンスターと格闘してみてください!