ショアジギングは他のソルトルアー釣りと違って、大物を狙う前提だと高級タックルの剛性が必須となり、ある程度まとまった初期投資が必要に。
ステラ・ソルティガなど最上級のリールを始めいくつか機種がありますが、できれば初期投資を抑えつつ大型青物を狙いたい!
そんな釣り人にとって「バイオマスター」は2万円前後と手頃な価格で購入でき、必要な性能も備えたリール!磯釣りでは不安を覚えますが、堤防なら全く問題なし。
ここがポイントぜよ!
- 2万円代で必要な機能を揃えた良コスパモデル
- 樹脂部分も多いが剛性には問題なし
- Fujiガイドシステムを採用していない致命的な問題
今回は、2016年に新しくリニューアルした「16 バイオマスターSW 6000HG」を実際に購入してショアジギングで使ってみたので、剛性・快適さなどの実釣レビューをお届けします!
16 バイオマスターSWのスペック
NEWバイオマスターの基本スペック
こちらが新しく購入した「NEWバイオマスターSW 6000HG」!旧モデルと比べてデザインがよくなり、以前のような安物感が少なくなったように思います。高級感溢れるデザインですね!
発売されてから1年程度経過していたため、ネットショップ(Amazon)で2万円程度で購入できました。釣具屋だともう少し高い状態でしたが、ネットなら在庫も豊富で安価に購入できます。
まずはNEWバイオマスターの基本スペックについて見ていくことにしましょう。
以前は4000番・5000番・8000番・10000番というラインナップでしたが、16年に新しく6000番が登場&唯一リニューアルという不思議な形式で発表されました。
6000番のリールはオフショアジギングや磯からのショアジギングにはパワー不足ですが、近海ジギングや堤防からのショアジギにはちょうどいいんですよ。
PE3号が300m巻けるので、磯からのロックショアは不可にしても堤防・サーフ中心ならヒラマサ・カンパチも取り込み可能!自重は455gなので、300g前後のHモデルロッドにピッタリ合います。
旧モデルと比べて、一体何が変わったのか?大きいところは、新しくステラ・ツインパワーなど高級機種にも搭載された、「Xプロテクト」「Xシールド」を装備したことですね。
IPX8基準の防水性能
▲防水性能を向上させるため、ハンドル逆転レバーすら取り払われる!
「Xプロテクト」「Xシールド」は防水仕様を付与するもので、侵入経路を遮断・特殊グリスを使用することで飛躍的に防水性能を向上させていて、IPX8相当の防水性を発揮します。
IPX7が「1mの水圧が掛かった状態で30分水没させても有害性が生じない」、IPX8は「さらに過酷な状態で継続的に水没させても問題なし」と国際規格で定められています。
常にあらゆる部品がガチャガチャ動くスピニングリールで、IPX8の防水性ってすごいですよね!特にショアジギなど過酷な状況において、水の進入で腐食することも多いので重要です。
実際、帰宅してから水道水をぶっかけて洗い流すときも、通常のリールだとドラグを締めていてもハンドル回転時に「あ、これ中に水分入ってるな」と独特の異音がなります。
が、このバイオマスターは四方からどれだけ水を浴びせようが、全く巻き心地が変わらないんです!さすがに砂噛みさせるとマズイでしょうが、最悪海に水没させてもOKという最強仕様です。
特に磯での釣りでは非常に重要になるので、6000番以上の番手もフルリニューアルして搭載してほしいですね。
他機種との比較:ダイワ ブラスト
新しくショアジギングを始めるとき、同じ2万円程度の中級機だとダイワの「ブラスト」が比較対象に。どちらも比較的性能が高い優秀なリールです。
ブラストはオール金属ボディを採用しているので、剛性が非常に高いです。一方、ダイワ独自の防水機能「マグシールド」は悪い評判が多く、単純な防水性能もバイオのほうが上。
シマノで6000番だと、ダイワなら4000Hがちょうど同じサイズになるんですが、ブラストのほうが35g自重が軽い代わりにPE3号を250mしか巻けない・・・という違いがあります。
上級機種と同じで、シマノはドラグ性能・巻き心地などが優れている代わりに耐久性が低く、ダイワは剛性が非常に高い代わりに基本性能はやや劣る・・・という印象です。
とはいえ釣りにならない程度の性能差はないんで、あとは好みで決めるといいかと。自分はコルトスナイパーを使ってみたかったので、同じシマノのバイオを選びました。
バイオマスターの実釣インプレ!
巻き出し・ドラグの軽快さ
新しくショアジギングの道具一式を揃えたので、嬉しくなって早速釣行してきました!早速、このタックルを生かせる明石の激流エリアでジグを投げることに。
まず第一に回して思ったのが、「非常に巻き心地がスムーズ」だということ。ショアジギングではそれほど重要ではありませんが、回転時にゴリ感があるとストレスを感じます。
ツインパワーやステラも触っても、リールがゴツくて小型番手ほどシルキーさを感じなかったんですが、バイオマスターも大差なし。ハイギアモデルでしたが、巻き取りの重さも一切感じず。
ドラグ性能については大型魚を掛けてないのでなんともいえませんが、試しに緩めで設定していたところ早々にギリギリハマチサイズがヒット!
突っ込み時にもスムーズにドラグが出ていたので、ガチガチに締め込んだときも同じように動作してくれるかが気になります。この点については、後日大型魚を掛けてから追記したいと思います。
巻き心地・ドラグともにスムーズ、ゴリ感などは一切感じないので、思っていたより快適に使用できました。ショアジギングだと最低スペックになりますが、堤防から遊ぶ分には不足を感じませんでした。
ショアジギング使用時の剛性
続いて、最も重要な「剛性」について。とりあえず一日中シャクリまくる・・・という釣行を3回ほど続けましたが、初期と同じ状態で使い続けられています。
ただボディの半分は樹脂性であり、タックル自体の自重があるのでキズつきやすいのがデメリットかも。気づくとボディに2箇所ほどキズができてました。
軽量リールのように、思い切りドラグを回してベールがたわむ・・・ということはないので、大型魚を掛けてぶっ壊れるようなことは少ないでしょうが、落下時の破損がやや心配ですね。
結論:購入して満足か
購入してから数回使用した段階では、リールの価格以上に使い勝手が良かったので非常に満足です!ドラグ性能と糸巻量を考えても、対大型青物で十分使えます。
上級機種とくらべても重量的な差も少ないし、堤防・サーフからのショアジギングで必要な性能を全て満たしています。あとは金属ボディを好むかどうかでチョイスが変わってくるぐらい。
予算があるなら、あらゆるシチュエーションで使えるツインパワー以上のリールを選ぶほうがいいでしょう。ただバイオマスター2台分の価格が必要なので、入門用として購入するならバイオのほうがおすすめ。
ちなみにバイオマスター6000番にあわせるなら、同じメーカーだと「コルトスナイパーS1000H」がピッタリでした。
これ以下だと糸巻量とルアー重量がマッチせず、さらに大きいとバランスが悪いためもう一つ大きい番手のほうがいいかと思います。
ぜひ、これからショアジギング入門したい!という方は購入してみてください。新しくツインパワー・ステラなどを購入しても、サブリールとしても十分活躍できる性能を秘めています。
【実釣インプレ】「シマノ コルトスナイパーS1000H」はショアジギング入門に最適か?
【追記】優秀なリールだが致命的な欠点も・・・。
全体的な性能は素晴らしいんですが、一つだけ欠点があります。それは、ロッドの元ガイドに対して一定の角度がついている「FUJIガイドシステム」が搭載されていないこと。
バイオマスターをロッドに取り付けた時、スプールの方向が完全に水平を向くためキャスト時に元ガイドへラインが干渉し、他のリールと比べて10〜20%ほど飛距離が落ちます。
大型魚とのやり取りを想定したセッティングらしいんですが、ショアからの釣りだと遠投性が圧倒的に重要となるため、致命的ですよね・・・。
その後、19ステラSW、15ツインパワーSW 8000HG、ツインパSW5000など数々の大型リールを購入してきましたが、全てのリールがFUJIガイドシステムを採用していました。
正直、ショアジギングではこれだけで購入する選択肢から外れてしまうレベルの欠点です。釣りはできるけど、遠投できないならお話になりませんよね。
今度、磯からの釣りまで視野に入れるのであれば、耐久性の問題もあるので安心安全・コスパ最強のツインパSWが最もおすすめ。
おわりに
というわけで、以上「16 バイオマスターSW 6000HG」を購入し、実際の経験を通して実釣レビューをお届けしてみました!
タックル選びには特に悩みますが、バイオマスターならシチュエーション次第では問題なく使えそう。ただし、人によっては磯場やオフショアで無理に使った結果、破損したという声も聞きます。^^;
FUJIガイドシステムの件もありますし、基本性能は高いもののあまりおすすめできない、という結論になっちゃいましたね。ショアからの釣りでなければおすすめです!