「クロダイ(黒鯛)は警戒心が強く釣るのが難しい」・・・なんて言われますが、実はルアー釣りなら非常に難易度が低く、簡単に連続ヒットさせることが可能です!
身近な都市部の河川や港湾部でも釣れるので、仕事・学校帰りに気軽に釣りができます。1年中狙うことができ、時間帯も朝〜晩まで幅広く狙うことが可能です。
もちろんクロダイ特有の強い引きを堪能できるうえ、魚の習性や釣りの基本がわかっていれば釣果を大きく伸ばすことも。ルアー釣り初心者にも超おすすめ。
- チニングの基礎知識
- クロダイ専用タックルの選び方
- 上手くクロダイを釣るためのコツ
そこで今回は、釣り初心者の方のために「チニングの始め方」を徹底解説していきます。チヌをルアーで釣りてぇ!という人はぜひ参考にしてください。
チニングとはどんな釣り方?基礎知識や魚の習性など
チニングはその名のとおり「チヌ(クロダイ)」をルアーで釣り上げる方法。クロダイの主食であるカニ・エビ類を模したワームを使ってズル引きして狙うのが一般的。
何十年も前からクロダイは憧れの魚であり、ルアーで釣るなんて発想自体ありませんでした。しかし10年ほど前に広島のサーフで流行ったのをキッカケに、爆発的に流行!
今では1年中河口・運河などの釣り場で狙うことができ、釣りに行けばボウズはないほど身近な魚に。「年なし」と呼ばれる50cm超のクロダイを釣ることもできます。
- ボトムをワームでズル引く釣法
- ポッパーなどトップウォータールアーを使った釣法
- 堤防際に小型ワームを落とし込む「岸クロ」釣法
釣り方も年々開発されており、主に3種類のルアーを使った釣法が有名。最もポピュラーなのは「ボトムをワームでズル引く釣法」で、初心者でも簡単に釣り上げられます。
難易度はやや高いものの、非常にエキサイティングなのがポッパー等を使った「トップゲーム」。水面を割って捕食するクロダイの様子を見ることができます!
クロダイ釣りのメッカである関西では、ワームを堤防際に落とし込んで狙う「ガンクロ」釣法が人気。メジャーでありませんが、非常に簡単に釣ることができます。
今回は、最もポピュラー「ボトム中心のチニング」を解説していきたいと思います!
クロダイ(チヌ)の特徴・習性
クロダイは主に河口など汽水域を好む魚で、餌を求めて河川まで遡上することもあります。綺麗な水質よりも「濁り」を好み、都市に近い場所に多く生息しています。
基本的に深場よりも水深10m程度までの浅場に多く生息しており、背びれが見えてしまう水深20cm前後の場所で餌を追って入ってくることもあるほど。
食性は「悪食」と呼ばれるほどなんでも食べる魚で、カニなど甲殻類を中心にゴカイ類、海面に落ちた虫も捕食します。獰猛なので、積極的にルアーへもアタックします!
最適な時期・シーズン:1年中釣れるクロダイという魚
クロダイは回遊性の強い魚と違って、特定の釣り場で生息する「定着性」の魚。活性が低くなる時期はあるものの、基本的に1年中釣り上げることができます!
最も高活性になるハイシーズンは夏〜秋にかけてで、小型を中心に様々なサイズを簡単に数釣りすることができます。チニング入門するならこの時期がおすすめ。
食いは渋くなりますが、水温が一桁台になる真冬でも釣り上げることが可能。どの時期にも楽しめるのも、チニングゲームの面白いところですね!
チニング専用タックルの選び方を徹底解説
チニング専用ロッドの選び方:高感度と強靭なパワーが必要
チニングロッドに必要な性能は、「繊細なアタリを捉える高感度」「強力な引きをいなして根に潜られない強靭なパワー」を両立していること。
この釣りは高度なテクニックがあまり必要ないので、ブラックバス・エギング用のライトタックルを流用しても問題なし。普通に釣れます。
ただし専用ロッドは強靭なバットと竿先が柔らかい「ソリッドティップ」が装備されたものもあり、低活性時でも確実に食い込ませ、釣果を下げることなく釣りができます。
- 竿の長さは6フィート〜7フィート
- 3g〜10g程度のルアーを遠投できる性能
- クロダイの渋いアタリもキャッチできる高感度
- 強力なパワーをしのぎ根に潜られないバットパワー
チニング専用ロッドはかなりリーズナブルな製品が多いため、気軽に購入できます。これから購入するなら、エギングロッドが問題なく釣りができておすすめ。
「シマノルアーマチック S86ML」は汎用的に使えるロッドで、5千円台ですが確実に大型クロダイを取ることができます。他の釣りにも使うならこちらを!
自分も使っているメジャークラフトの「クロステージ 黒鯛 CRX-S782ML」は1万円台ながら50cm超のチヌにも負けないパワーも有しているので、本格的な釣りができます。
初心者向けチニング専用ロッド!「メジャークラフト CRX-S782ML」を使い込んだインプレ・レビュー
チニング用リールの番手・選び方:軽量性を重視
ロッドは製品によって釣果が分かれることもありますが、リールに関しては番手さえあってればどんなものを使ってもOK。こちらもエギング用を流用がおすすめ。
極細PEラインを使用しますが、それほど遠投は必要ないので0.8号を150m巻ければ問題ありません。ただし強烈な引きに対応するため、ある程度のドラグ性能は必要。
チニングは常に魚の居場所を探してランガンし続けるので、できるだけ軽量なリールを選ぶと長時間釣りをしても疲労しづらく、結果的に釣果を伸ばせますよ。
- 番手は2000番〜3000番程度
- PE0.6〜1号を150m以上巻ける糸巻き量
- 極細ラインでも切れずやり取り可能なドラグ
- 長時間ラン&ガンを続けても疲れない軽量性
チニング用リールは、2000番〜3000番台であればどんなモデルでも使用できます。新しく購入するなら、他魚種でも使用できる汎用リールがおすすめ。
「ダイワ 20レブロスLT」は実際に購入して使っていますが、実売5千円前後ながら大物にも対応可能なATDドラグが搭載されており、基本性能も高くコスパ最強です。
本格的にチニングをするなら、「シマノ16 ストラディック CI4+ 2500HGSDH」は超軽量素材のCI4+素材を採用しているため自重190gを実現!中級者以上はこちら。
最強の低価格リール「20レブロスLT」を購入。コスパ最強で驚愕の性能だった・・・!
ラインシステム:極細PE&根ズレに強いリーダー
チニングでは、軽量ルアーを遠投しながら小さいアタリを感知しなければならないため、感度の高いPE0.6号前後&根ズレに強いフロロリーダーを使用します。
ラインが太すぎると、波風の影響を受けてアタリがわからないのでNG。特に大型ほど小さい前アタリを察知して掛けられるがが釣果を伸ばすコツとなります。
ただし周囲に牡蠣殻が存在するなど、ポイントによっては障害物が多すぎて切られてしまうことも。このような場所では、太めのラインを使うほうが無難です。
- PEライン:0.6号〜1号を150m
- リーダー:フロロ2〜3号を1m程度
チニング専用のルアー:根掛かり回避のラバージグを使用
様々なルアーを使ってクロダイを釣り上げることができますが、今回は最もポピュラーな底をズル引いて狙う「底ズル釣法」で使うルアーを紹介します。
ジグヘッド+ワームという組み合わせでもOKですが、クロダイの多いゴロタ浜や石畳エリアでそのまま使うと、鉛が挟まって根掛かりが連発してしまいます。
チニング専用ルアーの「ラバージグ」は鉛に高浮力素材が付けられており、フォール速度を遅くすることで簡単に障害物を回避できるよう工夫されています!
魚に存在をアピールするラバー(ひらひらしたゴム)も付いているので、釣果アップにも。5g・7g・10gなどラインナップが豊富なので、何種類か揃えていくと便利。
実績抜群!チニングでよく釣れるおすすめの「底ズル系ルアー」紹介
チニング初心者が実際に釣り上げるためのノウハウ
チニングで狙うべきポイント:汽水域の河口が最もアツい!
クロダイは一体どの場所に生息しているのか?基本的にどんな場所でも現れる神出鬼没な魚ですが、特に淡水の入り交じる「汽水域」を好みます!
河口エリアのなかでも、餌が豊富で天敵から身を隠せる「石畳・テトラ」周辺が1級ポイントとなっており、エサ釣りでも狙われることが多いです。
他にも、主食である甲殻類が多いサーフも見逃せないポイント。水深20cm程度であっても餌と障害物さえあれば釣れるので、浅場もチェックすると釣果を伸ばせます。
チニングで特に釣れる場所・ポイントを探す方法まとめ【運河・河口・漁港・サーフ】
クロダイがルアーで釣れる時間帯:夜釣りが最強!
ルアーでも簡単に釣れるクロダイですが、この魚は警戒心が強いことでも有名。少しでも釣り人の気配を察知すると、あっという間に逃げてしまいます。
しかし夜間なら気配も消えて積極的に餌を捕食するようになるので、チニング入門にはナイトゲームが最強。夜間なら、目の前でヒットすることも頻繁にあります。
「干潮からの満ちはじめ」が最も釣れやすく、潮回りにもよりますが夕まずめ〜日付が変わるまでの間にアタリが集中することが多いです。深夜は極端にアタリが減ります。
夕まずめ前から入ってポイントの地形・障害物の有無を確認しつつ、22時程度までの間に釣りをするのが理想ですね!
チニングでもっとも釣れる時間帯とは?時間別の攻略法【朝・昼・夜】
ルアーのキャスト・トレース位置について
チニングで釣果を上げるためには、「ルアーの投げる位置」が重要。正面ではなく流れに対してアップクロス(上流側)に投げていくのが基本となります。
この釣りでは第一に「底を取る」ことが重要となるんですが、下流側に投げると流れでルアーが浮き上がってしまうし、水の抵抗で小さなアタリが取りにくくなります。
アップクロスにキャストすることで確実に底を取りつつ、「流されているものを追う」というクロダイの習性を生かして釣果を上げることができるんですね。
石畳周辺で釣りをする場合、まず「石畳のキワ」を狙ってみることが釣果への近道。餌となる生物が多く生息しており、干潮時に多少水深があれば”キワ”を通って回遊している個体が多いです。
沖のブレイクにも居着いており、夜間に狙う場合でも明るいうちから「底周辺でエグれている場所がないかどうか」を偵察しておくのが大切。
一見変化に乏しい釣り場であっても、石畳の形状が他と少し違う、底の状態・形状が少し違うなど「ほんのちょっとの変化」の場所で釣れることが非常に多いです。
まずは目に見える変化を見ながら探ってゆき、実際に釣りながらルアーが引っかかりやすい場所があれば積極的に狙ってみるのも釣果をアップさせる近道ですね!
チニングの底ズル釣法では、海底に潜む甲殻類等を模して食わせる釣法のため、「底を取る」ことが重要。ただ初心者のうちだとちゃんと着底しているか把握が難しかったりするんですが、軽く根掛かりしたあと、「謎の水性生物」が釣れることがあります。気持ち悪いですね。(笑)この手の生物は海底の岩などにくっついていて、「ちゃんとルアーが着底してるよ!」という目印になるので、初心者は特に注目しておくと釣果アップにつながりますよ。
チニングで重要なルアーアクションの種類と方法
次にチニングで重要な「ルアーアクション」の話。色々釣り雑誌やサイトを見ていると、「チニングではズル引きが基本」と書かれています。
チヌは底を這う貝・カニを追うことも多く、これらの餌を模して砂煙をあげながらルアーを巻いてアピールするのが基本ですが、このズル引きにもいくつか方法があります。
特に初心者のうちは、普通にリールを巻いてズル引きしているだけだとアタリも分からず、リトリーブスピードも見極められないために何度行ってもボウズになりがち。
チニングはコツを掴むまでが難しいので、ズル引きの感覚に慣れるためにも「徐々に竿を立てるズル引き」で狙う方法をおすすめします!
竿を立てる方法だと、ルアーの移動速度が一目瞭然に。竿を止めたときにアタリが頻繁に発生し、「岩にストックしているのか、魚のアタリなのかわからない」ということもなくなります。
「岩に当たっているのか、魚が当たっているのか判別が必要」というチニングの大前提をまず身につけるために、これらの方法を試してみましょう。
最後に:チニングは簡単だが奥の深い釣り!
というわけで、以上「チニングの基礎知識と釣果を上げるためのコツ、必要なタックル」について、初心者向けの情報を発信・解説してみました!
チニングは慣れると簡単に数釣りできるんですが、釣り初心者のうちは「アタリの判別」が鬼門になります。魚なのか岩なのか、判別が案外難しいんです。
他にも、状況に応じて餌の種類からルアーを替えてみたり、底に沈む岩や障害物の周囲をトレースしたり、潮の流れを見ながら釣りをすることで数を伸ばせるんですが・・・。
これらはルアー釣りの基本であり、「ルアー釣りが苦手!」という人がチニングに挑戦して数釣りできると一気にレベルアップできるんです!
一度慣れてしまえば、仕事終わりにフラっときて大型を連発することも可能だし、シーバスや大型ロックフィッシュなんかの外道も釣れて面白いです。
都市部で気軽に狙えながらも、本人の腕が大きく釣果に左右する釣りなので奥が深くて面白い!特に都市部に住まれている人ほど挑戦してほしいですね・・・!
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