真冬でもアウトドア活動・釣りをする人にとって、「防寒装備」は必須。下手な装備では極寒地で活動を行うことができないし、最悪の場合は死に至ることも。
防寒装備を揃える・・・と聞いて真っ先に「防寒着」を買う人も多いと思うんですが、実は中に着る「防寒インナー」で暖かさが劇的に変わってくるんですよ!
ただ、防寒インナーには様々な素材・種類の製品が発売されており、正直言って選びづらいんですよね。決して安い買い物ではないので、慎重に選びたいところ。
- アウトドアメーカーごとのインナー性能の違い
- 使用されている素材ごとの違い
- 真冬でも使える!最強の防寒インナーおすすすランキング
そこで!今回は真冬に使える最強防寒インナーの紹介と、おすすめ製品を徹底比較してみました!全部実際に使ったものをまとめているので、参考になるかと。
アウトドアメーカーごとのインナー性能の違いとは?
インナーを購入するにあたって一番大事なのは、防寒着と同様に「自分が使うシチュエーションを想定し、ベストな製品を購入する」こと。
様々なアウトドアメーカーから防寒インナーが発売されているんですが、例えば登山用・釣り用ではそれぞれ期待される効果が異なるため、性能が全然違います。
一方、「単純に専用メーカーのものを買えばいい」というわけでもなく、登山で動きが少なめな場合、釣りでも動きが激しい場合などは、専用品じゃないほうが幸せになります。
使用するシチュエーションに合わせて防寒インナーを購入することで、快適にアウトドア活動を楽しむことができます!今回は代表的な登山用と釣り用インナーを比較してみます。
登山用インナーの代表的な特徴
登山用のインナーは運動量が多く、冬期の体温低下は死に直結することから、過酷な状況を想定して作られています。汗冷えしないよう、除湿性能が高いインナーが大半です。
初心者の中には価格が安い「ヒートテック」を使用する人もいますが、一般的なインナーだと除湿性能が低すぎて低体温症に陥ってしまう可能性があるためNG。
防寒性能が高いわけではないものの、運動後の汗を素早く乾かしてくれるため、普段使いや運動量多めのアウトドア活動に向いています。
釣り用インナーの代表的な特徴
基本的に釣りでは激しい動きを取らない一方、真冬の釣り場は想像以上に寒いため、「最強の防寒性能」を備えたインナーが多め。一方、除湿性能は低めです。
生地が非常に分厚く、釣り場内で徒歩移動するだけで汗ばむため「現地に到着してから着替えたほうが良いのでは?」と思ってしまうレベル。
しかし超極厚手生地を採用した「もちはだ」の場合、防寒性能が高すぎて薄手のダウンジャケット+防寒インナーだけで真冬にも対応できるようになるため、買って損はないです。
インナー生地ごとの発熱・除湿・防寒性能の違い
各メーカー・用途ごとにインナーの性能が違うんですが、同じ用途でも生地の違いによって発熱・除湿・防寒性能が大きく異なります!
特にアウトドア・スポーツ用メーカーで発売されている、代表的なインナー素材は下記の3つ。
- 汗などの水分を利用して発熱する「吸湿発熱」素材
- 遠赤外線で運動せずとも暖かい「光電子」素材
- 吸湿発熱素材に除湿性・抗菌作用が備わった「メリノウール」素材
吸湿発熱素材
「吸湿発熱素材」とは運動中に出る汗を生地が吸湿し、熱に変換する素材。インナーの中でも一般的で、ユニクロの「ヒートテック」もこの方式を採用しています。
防寒性能は他の素材と比べて最も高く、極寒地での使用に最適!ただ、少し運動しないと発熱しない一方、除湿性が低いため運動量の多いスポーツには不向きという欠点も。
登山・自転車など運動量の多いスポーツでは絶対使っちゃダメですが、極寒地での釣りやキャンプには最強です。暖かさを第一に求めるならこちらを購入しましょう。
光電子素材
「光電子」素材は、繊維中から遠赤外線を照射、その「反射熱」を利用するという素材で、吸湿発熱素材と違って着用した瞬間から体を暖めてくれます。
トリガーがなくても発熱し、除湿性が高いため、汗を多くかくスポーツでも安心して使用可能。登山・動きの多い釣りなど、静・動の差が激しいスポーツには最強。
ただし性能が高いぶん、素材の価格も高く1着7,000円以上するものが大半です。また生地が少し薄めなため、極寒地での使用にはあまり向きません。
メリノウール素材
「メリノウール」はその名のとおり羊毛を使った素材で、発熱方式は「吸湿発熱素材」と同じく運動中に出た汗を熱に変換するというもの。
ただ!比較すると除湿性能・抗菌性能に優れているため、汗冷えしにくく大量の汗をかいても臭いづらくなっています。性能だけ見れば吸湿発熱の上位互換素材です。
登山メーカーからしか発売されていないため、薄い生地が多く防寒性能には欠けますが、数日間洗濯しなくても臭いづらいため長期間の登山等に向いています。
少し前置きが長くなりますが、以上の説明を踏まえて「メーカー別の本当に使える防寒インナー」を紹介していきたいと思います!
【最強】アウトドア・釣り用おすすめインナーランキング
登山メーカーのインナー徹底比較
1位:mont-bell スーパーメリノウール
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★★☆ | ◯ 高品質素材「マルチクリンプウール」採用 | ◎ 高級ウール使用で体温調整機能に優れる | ◯ シャツ7,500円、タイツ7,000円+税(定価) |
登山用防寒インナーの中では最強の「mont-bell スーパーメリノウール」。発熱性能はやや低めですが、体温調整機能が素晴らしく、汗をかいても不快に感じません。
すでに解説したとおり、ヒートテックなど吸湿発熱素材の上位互換といってもよく、吸湿発熱方式ながら同時に除湿・抗菌・防臭性能も実現しています。
極寒地の使用はNGですが、登山・自転車・ルアー釣りなど運動量の多い活動に向いており、気温変化で汗をかいても気にならないのが最強です!
▼スーパーメリノウールの1年間長期使用レビューはこちら

2位:ノースフェイス HOTCREW
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★★☆ | ◯ 光電子®サーマスタット生地採用 | ◯ ポリエステル生地採用で汗冷えを防ぐ | ◯ シャツ7,344円、タイツ7,344円(実売価格、定価不明) |
登山メーカー「ノースフェイス」の光電子素材のインナー。着用した瞬間に暖かさを実感でき、発熱性能もそこそこ高く登山・釣りとあらゆるシチュエーションに使用可能。
抗菌・防臭性能にも優れており、少し汗をかいた程度なら数日間着用しても嫌な臭いがしません。着替えの少ない冬山登山とか、長期間の釣り旅行等にはピッタリかと。
「他社の光電子インナーと比べて安いこと」も大きなメリットで、実売価格5,000〜6,000円で購入可能!他社で上下を揃える場合に比べ、5,000円ほど安く購入できます。
▼NORTH FACE ホットクルーの長期使用レビューはこちら

3位:ミズノ ブレスサーモ
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★☆☆ | △ 発熱素材「ブレスサーモ」採用 | ◯ 生地が薄手のため吸湿発熱素材にしては除湿性が高め | ◎ シャツ6,300円、タイツ6,300円+税(定価) |
防寒インナーとして知名度の高い「ミズノ ブレスサーモ」。ヒートテックと同じ吸湿発熱素材ですが、発熱はともかく「除湿性」においては雲泥の差があり、登山にも使用可能。
発熱性能はそれほど高くないため、極寒地での使用には向きません。また除湿性など体温調整機能に関しても、アウトドアメーカーの高級インナーには劣ります。
しかし!最大のメリットは実売価格5千円以下で購入できる点にあり、性能を考えるとコストパフォーマンスに優れているため、予算重視で購入するならおすすめです。
釣りメーカーのインナー徹底比較
1位:もちはだ もちジョイ
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ◎ 発熱素材「サーモギア」採用、極厚地起毛 | △ 極厚手・起毛モデルで除湿性能は低め | ◯ シャツ8,700円、タイツ9,300円+税(定価) |
釣り用防寒インナーの中で最強の発熱性能をほこる「もちはだ もちジョイ」。超極厚手生地&裏起毛を採用しているため、他社インナーと比較にならないぐらい暖かくなります。
真冬の極寒地帯でも寒さを感じない点は素晴らしいんですが、日常利用や動きの激しいスポーツで使うと、暖かすぎてサウナに長時間入っていたかのごとく汗をかきます。(笑)
もちはだを着用すれば、通常だと専用防寒着が必要なシチュエーションでも普段着&もちはだで活動できるようになります。動きの少ない釣り・バイク等には最強のインナーですね!
▼ 最強の防寒インナー・もちはだの使用レビューはこちら

2位:ハヤブサ フリーノット
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★★★ | ◯ サーモライト®ダブル保温素材採用 | ◯ 除湿性の高いポリエステル採用 | ◯ シャツ8,800円、タイツ8,800円+税(定価) |
釣り用防寒インナーの中で大本命の「フリーノット ハヤブサ」の光電子インナー。発熱性能はあまり高くありませんが、着用した瞬間から暖かいのが最大の特徴。
光電子素材は遠赤外線を反射して体を暖めつつも、気温の高い状況で「暑い!」というギリギリの閾値を突破せず快適な体温を保ってくれる、夢のような素材です。
厳冬期には超極厚手生地の専用インナーを使用するのが正解ですが、初冬・初春や真冬の日中など少し肌寒く感じるシーズンには、光電子素材のほうが快適に釣りができます。
3位:ダイワ ブレスマジック
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★☆☆ | ◯ 発熱素材「ブレスマジック」採用 | △ 極厚手生地・起毛素材で除湿性は低め | ◯ シャツ8,000円、タイツ8,000円+税(定価) |
ダイワの超厚手タイプの防寒インナーで「ブレスマジック」という独自素材を採用している製品。「吸湿発熱素材」ですが、除湿性と赤外線増幅機能も備えています。
「釣り専用」だけあって様々なシチュエーションで使用でき、極寒地でのルアー釣りや寒い地域の堤防釣りなどで使えます。逆に言うと、中途半端とも言えてしまいます。
尖った部分はないので「こんな人におすすめ!」とは言いづらいんですが、インナー一着であらゆる季節に釣りを行いたい人は購入して損しないと思います。
▼ダイワ・ブレスマジックの1年間長期使用レビューはこちら

4位:シマノ ブレスハイパー
おすすめ度 | 発熱性 | 除湿性 | 価格 |
---|---|---|---|
★★★☆☆ | ◯ オリジナル発熱素材「ブレスハイパー」採用 | △ 極厚手生地・起毛素材のため除湿性は低い | △ シャツ10,700円、タイツ10,200円+税(定価) |
釣りメーカー「シマノ」が発売する超極厚タイプのインナーで、「ブレスハイパー」という独自素材を採用。裏起毛の厚さが5mmもあり、防寒性能はかなり高め。
「吸湿発熱素材」ですが、同時に除湿性もプラスしたことで動きの多い釣りにも対応!もちろん登山用インナーには劣りますが、少し動きの多いような釣りでも使えます。
「もちはだ」に比べると防寒性能で劣るし、「登山用インナー」と比べて除湿性に欠けるため、こちらも中途半端です。価格も一着10,000円前後と高いのも微妙ですね。
アウトドア・釣り・登山インナーを徹底比較!
※横スクロールで全製品をチェックできます。
今回紹介した全てのインナーを比較表にまとめてみました!
登山用・釣り用ともに適材適所で使用して初めて真の性能を発揮するので、それぞれの製品を比較しながら自分に合ったインナーを選んでみてください。
おわりに
というわけで、以上「アウトドア・釣り用インナーを徹底比較!」のレポートをお届けしました。
防寒着と合わせて何を購入すればいいか非常に悩みますが、せっかく上着を買うなら下着から対策をしないと何の意味もないので、ぜひじっくり選びたいところ。
今回の記事が商品選択の参考になれば嬉しいです。真冬の厳冬期であっても、良い製品を購入して外に出かけましょう!
▼アウトドア・釣り用防寒着の選び方とおすすめ製品を下記にまとめてみました。
