小魚を追って様々な海域を回遊する青物は、クロダイ・スズキなど居付きの魚と違って一定の場所に留まっているわけではないので「狙うべきポイントを絞りづらい」という特徴があります。
常に回遊しているので、新たなポイントをラン&ガンしても必ず釣れるとは限らず、最初のうちは場所選びが非常に難しいです。
少なくとも同じ海域に生息しているなら、一箇所で釣り続ける「回遊待ち」が基本となるし、仮に時合が訪れて釣れ始めても日の出から10分程度しかアタリがなかった!という場合も。
つまりポイント選びが一日の釣果を決まってしまうほど重要なんですが、事前に青物の習性と狙うべきポイントを頭に入れておくことで、グンと釣果を得られる確率が伸びます!
今回は釣果を得るために重要な「ショアジギングで狙うべきポイント・場所選びのコツ」について、実釣経験を交えつつ解説していきたいと思います!
ショアジギングで狙うべきポイントとは
水深・潮通しが抜群で外海に面したエリア
ブリ・カンパチなどの青物は、常に餌を追い求めて近海を移動しています。マグロほどではありませんが、同じ赤身の魚なので常に泳いで酸素を確保する必要があります。
多くの餌を求めるという意味でも、酸素を補給して活発に活動するという意味でも「水深が深く潮通しが抜群」なエリアが最も生息数が多く、釣れる確率も高まります!
同じ堤防でも内向きで釣れることは少なく、大抵は外海に面した潮通しのいい先端付近で釣れることが多いです。悪天候時などには例外的に湾奥まで進入することもあります。
水深100m前後を狙ってオフショアで大型青物が釣れるのはそのためですが、大型堤防など手前から水深10m以上あるような場所なら常に青物が回遊している可能性が高いです。
駿河湾など一部のドン深エリアでは、岸からクロマグロがヒットすることも多々あります。青物に関してはそれぐらい水深が重要になってくるんですね!
他にも、砂浜であっても手前からドン深になっているエリアでは大型青物が回遊しています。激流で有名な兵庫県の「明石海峡エリア」に頻繁に通っているんですが、一部砂浜になっていて青物が頻繁に揚がっています。
ベイトの溜まり場となる浅場
先ほど、「水深があって潮通しのいいエリアがいい」と言いました。これは、他のサイト・雑誌でもよく言われていることですし、事実でもあります。
しかし!ポイントによっては、水深2m前後の浅場でも青物が釣れてしまうケースもあります。実際に、そのような浅場でメジロやサワラをヒットさせたケースが何件かあります。
例外的ではあるんですが、その場所は比較的潮通しがよく、周囲に空港があって大型船舶の往来があるためドン深なポイントが近くにある場所でした。
しかも2kmほど人工島を囲むように堤防が続いており、終着点はL字型の堤防になっていて徐々に浅くなっているため小魚を追い込むには絶好のポイント。
このように「潮通しがよく、近くにドン深な場所があるなど外洋からのアクセスが容易」かつ「小魚を追い詰めるような地形になっている」場所はかなりの浅場でもヒットします。
セオリー通りに釣りをしている初心者は外向きばかりを狙っているが、実はHOTスポットは堤防内側でベテランの人は密かにバンバン釣っている・・・というケースを実際に見かけてしまいました。
その初心者とは、自分のことだったんですけどね。(笑)常連さんに教えてもらって無事に青物を釣ることができました。
回遊魚の青物は常にどの地点にいるか把握する必要があり、最新情報が重要なため「情報を教えてもらう」ことが一番の近道になります。
黒潮の影響を受ける海域
青物の中でも、特にマグロ・カツオなど遠洋系の青物の場合、「黒潮」の影響可否で釣果が大きく左右されます!
特に影響を色濃く受ける和歌山県や高知県、九州の離島は大型青物の聖地として有名ですよね。逆に黒潮の影響がない地域だと、回遊すらないケースもあります。
近海青物であるブリ・カンパチに関しては黒潮どうこうより餌となる小魚が重要なため、基本的に潮通しのよい場所であればどこでも回遊しています。
ただこちらに関しても黒潮の影響下にあるほうが魚影が濃く、大型が多い印象です。実際、黒潮に乗って沖縄・北海道の一部を除き日本近海へ回遊し、その後ベイトを追って岸際まで回ってきます。
黒潮の影響がないエリアでも釣れることは釣れますが、遠洋の青物や大型青物を狙いたい場合はぜひ遠征しましょう!青物に関しては細かいテクニック以前に「ポイント選び」が超重要になってきますので!
例外:外海が荒れた場合
▲過去にはこんな浅場まで青物が入ってきたことも・・・。
例外的に、台風の影響などで外海が荒れてしまった場合などは港内まで進入して餌を追うこともあります!大型堤防だと水深が深く、餌も豊富なので入り込むことが多いです。
湾奥エリアだと季節が冬に近づくにつれベイトが内側まで入り込んできて、青物もベイトを追って湾奥へと進入していきます。
温排水の影響があるエリアだと、湾奥の工場地帯周辺などで思わぬ大物がヒットすることも!実際、真冬の時期に本来は青物など見かけないエリアで1m超のブリが釣れたという情報を見たことがあります。
基本的には外洋を狙いつつも、天候が荒れたときや季節が深まってベイトが湾奥まで入り込んだときは、ぜひ普段狙っていないポイントをを探ってみてください。思わぬ大物がヒットする可能性があります。
青物が回遊しやすいポイント
沖に面した大型堤防
それでは、実際にどのようなポイントを狙っていけばいいのか?まず定番なのは都市部に多い大型港湾です。特に沖に面した位置ほどよく、手前から20m程度水深があるようなエリアだと最高ですね!
このようなポイントは釣り人も多く、釣果情報が回ると一気に人で埋まるので早めに場所取りしないと魚釣りすらできないこともあります。釣りをする以前の問題ですね。
できるだけ広範囲を探るため、重めのジグを中心に使うと釣果がアップします。
大型堤防はポイントによってはテトラが一面に設置されていることも多く、慣れないと取り込みが難しいかもしれません。手前まで寄せても、横方向に走られるとラインが擦れて簡単に切られます。
リーダーを太く・長くする、玉網を身体にセットしておくなど堤防と違って通常とは異なるアプローチが必要ですが、その分釣り人も少なくなるのでおすすめです!
ただし、取り込みは激ムズです。過去に何度も大型堤防のテトラ帯で魚をヒットさせ、バラしています・・・。
▼テトラ帯からショアジギングする際の取り込み方と注意点をまとめました。
テトラ帯でショアジギングする際の攻略法と取り込みのコツ
潮通しの良い沖堤防
大型港湾に続き、「潮通しのよい沖堤防」も青物には定番のスポット!特に沖向きに面している場所では通常の堤防では釣れないような1m超の青物が釣れることも多く、非常に魅力的です。
堤防と違って釣りをするために2000円程度の渡船代が必要になる・トイレがない・一度渡るとしばらくは帰れないなどの制約はありますが、小魚・青物ともに爆釣することも!
足場の高い場所が多いので、長めの玉網が別途必要になることも多いですが周囲に障害物が設置されている場所は少なく、釣り人が少なければ青物に走られても余裕で取り込むことができます。
沖堤防そのものが大きなストラクチャーになっているので、それほど遠投せずとも魚を釣ることができます。むしろ、足元周辺でヒットすることが多いです。
堤防際に小魚を追い込んで捕食するので、青物に気配をさとられなければ堤防際でヒットさせることも可能です。メタルジグを中心に、ミノーなど浅場を探れるルアーも用意したいところ。
一般的な堤防と全然環境が違うので、ある種「課金」のようなものですが、青物の回遊さえあればかなりの爆発力を秘めています。初心者ほどぜひおすすめしたい。
水深のある地磯・沖磯
いわゆる「ロックショア」と言われるジャンルで、150g前後のジグや大型プラグを使ってカンパチ・ヒラマサなどを狙います。
根に突っ込む魚なので、バットパワーで強引に浮かすためにXHHクラスでPE8号など超強力タックルを使うのが普通です。堤防と違って足元でモタモタすると一発でアウトなので、抜き上げが基本となります。
初心者には全くおすすめできませんし、道具を揃えるためだけで莫大な費用が必要となりますが、ショアジギング好きなら一度は挑戦したいところ!
暖流の影響がある場所だと、磯からクロマグロを釣ることも可能。堤防と比べて人が少なく、文字通り「魚とのガチンコ勝負」を味わえるためロマン満載です。
都市部在住なら数日間の遠征必須ですが、都市部で青物を狙うよりは確実に大型青物を狙えます。とりあえず、頭にこういう選択肢もある・・・ことは入れておきましょうw
なお堤防で使うようなショアジギタックルを磯で使うと、最悪破損する危険性もあるのでおすすめできません。専用タックルが必要となります!
沖に突き出した海釣り公園
▲写真は兵庫県にある「須磨海釣り公園」
こちらはちょっと例外的ですが、全国に何ヶ所か「沖に突き出る形になった海釣り公園」が存在します。陸から数百mも沖にせり出したポイントもあって、潮通しが抜群なため青物の宝庫になっています!
海釣り公園自体が大きな漁礁になっていて、餌となる小魚が着くため当然青物も回ってきます。80cm程度のマダイも小魚を追っているようで、ルアーでたまにヒットしています。
釣り人が多くなりがちですが、魚探がある以外は船釣りとほぼ同条件で釣りができるので、釣れないはずがありません。実際に何件も大型青物が上がっているので、近くにこのような海釣り公園があれば要チェック!
ドン深のサーフ
先ほどチラッと紹介しましたが、意外にも水深がドン深であればサーフから青物を狙うことができます!
具体的にはすぐ手前から3m〜5m程度の深さがあり、その先で一気に10m〜20m程度落ち込んでいるポイントだと青物が回遊している可能性が高いです。
水深がある安全圏さえあれば、むしろ小魚を追い込むには好都合なんですよね。波打ち際の取り込みでバレる可能性があるものの、障害物もなく玉網も不要なので安心してやり取りすることができます。
このようなポイントでは、ジグだと遠投はできるものの水深が一定ではないためフォールでのアピールが難しくなり、どちらかというと不向きです。
サーフ周辺で日頃から釣りをしている人は、シンキングミノーやスピンテールジグで一定層を引いて青物の釣果を上げている人が多いです。ランガンも容易なので、手っ取り早く探れるルアーが重宝されます。
なかなかこのようなポイントは見つかりませんが、ある程度魚を寄せると下方向に逃げ場がなく、沖向きに突っ走るため強烈な引きを味わえます!人も少ないことが多いので、一度やるとハマっちゃいますね。
おわりに
というわけで、以上「ショアジギングで狙うべきポイントと場所選びのコツ」について解説してみました!
大型堤防などは分かりやすいポイントですが、その他の場所だと一体どこで青物が釣れるのか判断がつきにくいですよね。実際、遠浅サーフなどは事前に情報を調べていないと判断できないので地元の釣り師が大半です。
「青物はポイント選びが第一に重要!ポイントさえ間違ってなければ初心者でも釣れる!」と言い切れるほどなので、ぜひネットで情報収集しつつ地元の人にも話を聞いて、お気に入りのスポットを見つけてください。