ショアジギングのメインターゲットである青物は餌を追い求めてあちこちを回遊していますが、魚の居場所までルアーを届けるためには鉛の塊である「メタルジグ」が必須!
ただのオモリにしか見えませんが、遠投性においては他のどんなルアーにも負けないほど優秀。しかも、ただ巻きやフォールでしっかりアクションしてくれるものも多いです。
各メーカー様々なジグを発売していますが、一見するとそれほど違いがないように見えます。が!実際は遠投性、タダ巻き・フォール時のアクションなどが異なり、使うジグによって釣果が分かれることも。
今回はショアジギングで必要なメタルジグの性能を考察しつつ、普段使っていて実績のあるジグを紹介していきたいと思います!
ショアジギングで求められるメタルジグの性能
他のルアー、例えばシーバス狙いのミノーなら「重心移動による遠投性」「アクション・潜行深度の違い」などが重視されます。特にミノーは違いがハッキリしているのでわかりやすいです。
では、ショアジギング用のメタルジグには一体どのような性能が求められるのか?一見すると、あまり違いがないようにも見えますが・・・。
重視する点はその人の経験によって分かれる面もあるでしょうが、僕は実釣経験から下記の点を特に重視しています。
- 遠投性
- フォール時・タダ巻き時の姿勢・アクション
- シルエット
メタルジグは第一に遠投性!
メタルジグは遠投性が命!タダ巻き時やフォール時にもアクションするし、マニュアル操作であらゆる層を探れるなど優秀な点は多いですが、同じ飛距離を出せるのならミノーのほうが釣れます。
各メーカーや製品によって色々と形状に違いがありますが、バランスの整ったジグよりも「全体的にフォルムが小さく、後方重心タイプ」のジグが特に遠投可能。
他にも、極力空気抵抗を抑えた細長いジグも飛距離が出ます。ただしこちらはキャストする方法を間違えると空中で回転してしまい、とぼしく飛距離が落ちてしまうので投げ方に工夫が必要。
青物は堤防・磯の近くを回遊することも多いですが、岸から届くギリギリの位置・100m先・150m先でナブラが発生することも多いです。
そんなとき、アクションどうこうよりも魚のいる位置にルアーが届かなければ釣れるはずもないし、メタルジグの一番のウリは「遠投性」にあるので一番に重視すべきだと思っています。
「いくらアクションの良いメタルジグでも、遠投できないジグはカス!」ぐらいに思っておいてもいいぐらいです。(笑)
フォール時・タダ巻きの姿勢・アクション
ジグの断面を見比べるとわかりますが、実は製品によって重心の位置や断面の形状が全然違います。手元に複数のジグがあったら、ぜひそれぞれジーっと見比べてみてください!
製品によって形状は色々ですが、だいたい下記の3パターンに分かれています。
- センターバランスタイプ
- 左右非対称でどちらかに重心をおいたタイプ
- 左右非対称・特殊な形状になっているタイプ
一見同じような形状に見えても、細かいところでは全然違うんです。形状が違うということはただ巻き時・フォール時の水流抵抗が変わる・・・すなわち、アクションも変わる!
ただ巻き時のアクションに関しては、ほとんどのジグはラインアイを支点にしてお尻をふる動きがほとんどです。安物ジグだと全く動かないタイプもあります。
フォール時のアクションは様々で、実際にジグを海に落としてみると小刻みに揺れながらフォールするタイプ、大きくS字に揺れるタイプ、不規則な動きをするタイプ・・・など色々あります。
「どんな状況でもこのアクションは釣れる!」というものはないんですが、状況によって釣れる動きが微妙に変わってくる、特定のジグに反応することは多々あるのでメジャーなものは複数用意しておくべきです!
また、ジグによってフォール速度の違いもあります。最近ではゆっくりフォールする「ショアスロータイプ」のジグが増えてきていますが、特に大型の青物ほどゆっくりアクションに反応する傾向があります。
できるだけ色々な状況に対応できるよう、フォール速度の違いでいくつかジグを用意しています。どちらかだけ釣れるということはありませんが、数の上では結構差が出るので、複数持っておいて損はないですよ!
シルエットの違い
ジグによって細長くて大きく見えるタイプ、丸くて重量より小さく見えるタイプなど色々ありますが、青物が特定の小魚を偏食している状況では、この「シルエットの違い」が釣果に直結してきます!
例えば、大型イワシ・サンマ・カマスなどを追っている状況では細長いタイプのジグに反応がよくなるし、小型のイワシなどを追っているときは小粒サイズのジグしかヒットしなくなります。
小魚が豊富な秋のハイシーズンにはどんなジグでも釣れることが多いですが、魚のサイズが小さい春先、大型アジ・イワシが回る晩秋〜冬には顕著に反応が変わってきます。
時期・場所に合わせて、有効なシルエットのジグを用意しておくべきです!
それでは、実際に使用していて結果が出ているメタルジグを紹介していきます!とりあえずこれらのジグを用意すれば、ショアジギングで困ることはほとんどなくなるでしょう。
〜100gでショアジギングに使えるメタルジグ紹介!
カルティバ 撃投ジグ
- ラインナップ:30g・40g・60g・80g・100g
- 形状:左右非対称タイプ
ショアジギングでは「定番中の定番」とされているメタルジグ。様々なサイト・雑誌でおすすめされているのを見かけるだけあって、全体的な性能が高いです。
「撃投ジグ」という名前だけあって、飛距離はピカイチ!細長い形状なので、キャストするときに竿がブレるとジグが回転して全く飛ばなくなるんですが、きちんと投げられれば100m以上余裕で飛びます。
フォール速度は細長形状にしては遅めで、ゆらゆらとS字に揺れながら青物を誘います。どういうわけか、特にフォール中の反応がいいのでパイロットルアーとして使用しています。
このジグ一本で完結してしまうことも多いほど釣れるし、信頼して使っていますね。唯一の欠点らしい欠点は、塗装が剥がれるのが早いこと。
ヤマシタ ムーチョルチア
- ラインナップ:18g・25g・35g・45g・60g
- 形状:センターバランスタイプ
リーズナブルで釣れるメタルジグとして有名な「ムーチョルチア」!特に慣れないうちは根掛かりで紛失してしまうことが多いですが、お財布に優しい価格なのでアグレッシブに根を攻められます。
遠投性能はそれほどではないものの、しっかりアクションして魚を釣れてきてくれる優秀なジグ。初めての釣り場ではパイロットルアーとして活躍してくれています。
全体的に重量が軽めで、そもそも通常のロッドで小型青物や根魚を狙う・・・というコンセプトのため本格的なショアジギングで使用するようなものではないんですが、60gまでなら使えます。
デフォルトでフックがセットされているので、箱出しですぐ使用することができます。最低でも1個はルアーボックスに置いておきたい、そんなメタルジグですね。
ダミキジャパン 闘魂ジグ
- ラインナップ:20g・30g・40g・60g
- 形状:センターバランスタイプ
センターバランスで強烈なフラッシングを放ちつつ、そこそこの遠投ができる優秀な「闘魂ジグ」。特に軽量ジグを使う「ライトショアジギング」では非常に活躍してくれました!
最大で60gまでしかラインナップがないので、本格的なショアジギングには使えません。強烈なフラッシング・素早いアクションを好む小型・中型青物が対象の場合は非常に活躍してくれます。
こちらもデフォルトで前後にフックが付いているので、箱出しですぐに使用できます。
メジャークラフト ジグパラ
- ラインナップ:20g・30g・40g・60g・80g・100g
- 形状:センターバランスタイプ
様々なメタルジグがあるなかで、おそらく最も有名なルアーが「ジグパラ」。600円〜700円という非常にリーズナブルな価格で購入でき、重量のラインナップも豊富なのが人気の秘密です。
性能的には平凡なんですが、それゆえに色々な魚を連れてきてくれます。最悪根掛かりで無くなっても許せるので、アグレッシブに攻めたところ爆釣!なんてことも。
センターバランスでアクションは優秀ですが、どちらかというと前方に重心があるため飛距離が出ないのが一番の欠点。ただ、どんな状況でも投げられるので必ずボックスに2つは忍ばせています。
メジャークラフト ジグパラ バーチカルスローピッチ
- ラインナップ:100g・120g超
- 形状:左右非対称タイプ
同じジグパラの「スローフォール」タイプ!センターバランスではなく左右非対称になっているため、通常よりフォール速度が遅く大型青物や根魚に有効なジグとなっています。
オフショアを前提に設計されているので、重量が100g以上のラインナップしかなく本格的なショアジギロッドでないと背負えないのがたまにキズ。
ショアスローでも普通に使えるし、遠投性が抜群なのでとりあえず一つはボックスに忍ばせておいて、いざという時に使うようにしています。こちらも価格が良心的なので助かります。
アングラーズリパブリック ゼッツ スローブラットS
- ラインナップ:40g・60g・80g・100g・120g以上
- 形状:センターバランス
ショアスローのジグを数多く販売している、アングラーズリパブリック「スローブラットS」。形状的にシャクった際、フォールさせた際の水流抵抗が大きく、狭い範囲でネチネチ探れるのが特徴。
フォール速度も重量にしては遅く、強烈なフラッシングを放ちながら落ちていくのでショアスローの強みを存分に生かすことができます!
日中の大型狙い、根魚狙いなら間違いなくこのジグが活躍します。主力を支える影のエース的な使い方が一番向いていますね〜。
おわりに
というわけで以上、「本格ショアジギングで活躍するメタルジグの特徴とおすすめ製品」について解説してみました!
いずれも実釣経験から編み出したものなので、参考にしていただけると思います。一見同じように見えるメタルジグも、実際使ってみるとアクションの違い、釣果の違いが生まれて面白いです。